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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

最終面接のワナ


私は就職活動を行う学生にアドバイスをするに当たって、「まず内々定を取れ」といいます。
後述しますが、これには理由があります。


私の同期にも、最終面接で何社も内々定を逃した人がいました。
なぜ、そのような事態が起こるのか?
それを説明しましょう。

結論から先に言うと、最終面接を通すこと、つまり内々定を出すことは、
企業にとって大きなリスクだからです。


人を一人採用するという事は福利厚生を含め、初年度500万程度の
コストがかかります。
教育中の新人はコストセンターでしかなく、会社には利益を生みません。
教育費を払いつつ、給与を払うという会社にとっては二重支払状態です。
また、労働組合がある会社だと、一度入社した社員を簡単にはクビには出来ません。


つまり、内々定を頂けるということは
「それだけのリスクを負っても、入社してもらいたい」
との意志の表れです。


一方、最終面接までは面接などの費用はかかりますが、一時的な変動費で済みます。
ここに、大きな違いがあります。


以上の理由から、最終面接まで行った人と内々定を取った人の間には大きな差があります。


だからこそ、内々定をいただいてナンボなのです。。*1


また、内々定をいただくということは、最終面接まで進んだ他志望者と見劣りしないことの
証明でもあります。


■ 弊社の最終面接


弊社は大手メーカーで、システム構築を業務としている会社です。
私は、システムエンジニア志望で弊社を受験しました。


二次面接までは、20代後半や主任クラスのエンジニアと人事の組み合わせで
どの会社とも変わらない面接だったと思います。


でも、最終面接は雰囲気が異なりました。
相手は、システムエンジニア + 人事部長でした。


システムエンジニアは、恐らく幹部クラス。
頭が恐ろしくキレる人で、突っ込みが休みなく飛んでくる中、
それに一つ一つ答えていきました。


私は、面接はプレゼンテーションだと思っているので、
身振り手振りと笑顔も見せつつ進めました。


・ どうしてそう感じているのか
・ どうしてその行動に出たのか
・ では、それ以外ではいけない理由は何か
・ その行動の結果、得たものは何だったのか


こちらの主張に対し、このような質問が飛んできます。
日ごろから考えていなければ答えられない質問ばかりでした。
いわばロジカルツリーを走査していくようなものです。


そして、内容はすべて「具体的には?」と前置きされます。


当時残していたメモによると質問は以下になります。(細かい派生質問は除く)
1、具体的な志望理由を1分間で述べよ
2、他企業と比較して、なぜ弊社か?
3、弊社に入社し、あなたはどんなメリットが生み出せるのか?
4、具体的にやりたいソリューション分野は?
5、ベンチャーセミナーで何を吸収して来たか?(こちらの解答から派生
6、システムエンジニアとしてあなたの強みはなにか?
7、日本社会の良い点、悪い点は何か?(こちらの解答から派生
8、米社会の良い点、悪い点は何か?(こちらの解答から派生


思考のプロセスを読み取ろうとする質問がほとんどだと思います。
その思考のベースとして期待されるものは、やはり弊社のシステムエンジニア
としてタスクがこなせるかというものです。


このような視点で見て、
・ 説得力のある回答が打ち出せるか
・ 顧客と対峙した際のタフネゴシエーションがこなせるか
・ 社内交渉やメンバーとのコミュニケーションを円滑にできるのか
・ リーダとして、プロジェクトをまわすことができそうか
などを中心に、「論理力」と「プレゼンテーション能力」、「国語力」
、「コミュニケーション能力」を見ていたのだと思います。


以前、「就職戦略Ⅰ」という題名で、こう書きました。

「志望理由を書くこと」≒「就職先で働いている自分を想像し、仮説を立てること」


1.私が入社することで、企業にどのようなメリットをもたらすか
2.私は入社して、何がやりたいのか


面接官は必死にあらゆる手段で「1」と「2」を探ってきます。
あなたがそれを固めていれば、どの企業を志望しようが何も恐くはありません。


面接本はソリューションではありません。
まずは、あなたの意志を固めることです。

*1:もちろん、入社する意志があまりない会社では、面接でも「御社に入社したい」とは言ってはいけません。「内定をいただいた会社で、会社見学などをさせていただき、最終的に決めたいと思います」とはっきりと言いましょう。