情報収集が、強い自己アピールをつくる(1)
就職活動を成功させるために意識すべきことに続けて書きたいと思います。
「他人にはない企業にとってのあなたの魅力」とは?
そして、それはどうやって見つけることができるのか。
■ フェーズ1 業界を調べる
まず、以下のことについて知りましょう。
- 業界のビジネス
- 働き方
情報元は書籍、先輩に聞く、セミナーなどなんでも結構ですが、
イメージ先行にならないよう注意してください。
きちんとメモを取って、頭の中で体系的にまとめておきましょう。
- 業界のビジネス
- 顧客は誰か?
- 顧客は何に対する対価としてお金を払うのか?
- 今、昔、そして未来のビジネスの形
- 具体例1:SE志望の場合
SIerにとって、顧客は基本的には企業です。
顧客企業の情報システム部や直接業務に関わっている方々が顧客になります。
そして、構築されるインフラやプログラムによるシステムの機能、ドキュメンテーション
などの成果物への対価としてお金を払います。
もちろん、最終的にユーザに見えるのは、画面であり、機能なので、
そこがしっかり出来ていないと対価が払われない場合もあります。
払われる対価は、見積もりに対し、人月試算で計算されるのが普通です。
ビジネスとしては、過去、基本的にはバックオフィスなどの定型的作業に対して
システム化が行われました。
要件は既に決まりきった業務であり、それをIT化するのが使命でした。
例えば勤怠管理や簡単な顧客管理(CRM)などがこれにあたるかと思います。
今、そしてこれからは、顧客企業のビジネスを共に考え、顧客の成長エンジンと
なるためのシステムを提案、構築、運用していく必要があります。
具体的には、ITILによる運用管理、アウトソーシングなどもその一環ですね。
- 具体例2:美容師志望の場合
美容師ならば、顧客は私達、一般人です。
私達は彼らの腕に対価を払います。変な髪形にされたら嫌だからです。
ちょっと前まではカリスマ美容師が流行り、彼らさえいれば高単価でカットしてもらえ
たわけで、、美容室にとってはドル箱でした。
今は、少し落ち着いてきていて、美容師のレベルごとに1000円くらいの差ごとに
ランクわけしてあって、自分のスタンスに合ったレベルの美容師を選ぶ店が多いようです。
逆に、15分1000円で切るところもありますし、カットだけでなくパーマなどで高単価を取る
美容室も増えてきています。
これからは、よりそれぞれのカットしたいスタイルや価格に特化した店、
そして雰囲気や演出を重視した店作りを特徴に出した店が主流をつくっていくでしょう。
- そのビジネスの中での自分の価値
ビジネスの形がわかってくると、自分の価値をどこで出すべきか。
または、どこで出せるのかということが明確になります。
そして、会社のビジネスとしての方向性もわかりますし、説得力も増すでしょう。
- 働き方
- 給与、福利厚生は?
- キャリアパスはどういった形になるのか?
- どういった仕事の形なのか?
- 時間的制約はあるのか?
- 女性社員への会社のスタンスはどうなのか?
- 給与、福利厚生
基本給だけ見ると安く見えるが、福利厚生を計算すると実は年収が50万UPするという
ケースもあります。
また、内訳を見ると基本給を意図的に安く設定し、ボーナスを少なく支給する企業もあります。
また、こればかりにこだわるのも考えものです。
基本給与は新卒なら、実は派遣の方が高かったりしますし、目先の十数万よりキャリアアップの方を取りたいものです。
- キャリアパス
ベンチャー企業は、若くして大きな責任が任せられますが、規律が曖昧であったり、
参入コストが低い産業が多いため、エイヤっと仕事をやってしまい属人的で、定型的でない場合があります。
また、現在は伸びていても市場が変化し、急速な業績悪化に陥る可能性もあります。
また、大企業ほど年齢、職種による役割分担が決まっており、その中で自分の存在感を
出していくことになります。
そのため、上層が厚く、若手に責任のあるタスクが回ってこない場合もあります。
弊社は大企業ですが、20代は基本的に開発から設計、顧客との折衝まで一通り経験し、
30前後で顧客とコミットし、売上に貢献、成果責任を満たす必要があります。
30代半ばで顧客単位でPJを束ねるマネージャ、40代でマネージャを束ねる
シニアマネージャとなっています。
会社として業績がうなぎ上りでも、仕事の内容はつまらないなどは実は往々にしてあるようです。
- 仕事の形
システム会社でも、コンサルタントとシステム構築に携わるSE、設計を担当するITアーキテクト、
実装を担当するプログラマ、運用担当のインフラエンジニア、思想を伝えるエバンジェリスト
では仕事の内容が異なってきます。
仕事の仕方が異なるため、頭の使い方、勤務体系、給与体系が異なってきます。
- 時間的制約
例えば、キャリアカウンセラーならば、平日なら夕方以降、休日がメインの就業時間になります。
顧客は社会人であり、彼らのライフスタイルにあわせると必然的にそうなるからです。
システムの運用担当者ならば、システムの稼動状況に左右されるため、休日や深夜に呼び出されることもしばしばあります。
- 女性社員への会社のスタンス
これは、女性役員の数、男女の社員数、女性社員の平均年齢に表れます。
古い企業はやはり女性が出世しづらい状況にあるようです。
キャリアアップを考えている女性は、リクルートのように女性をばんばん上に上げる
社風の会社か、外資系、ベンチャー企業などに行くことをお勧めします。
(だんだん変わってくるでしょう。)
ベンチャー企業はキャリアアップはいいですが、出産前後のケアについて、整っていない
場合もあるため、注意が必要です。
- 働き方は自分に合っているのか
価値観は人それぞれです。
アウトプットが求められる環境に身を置きたい人もいれば、ゆったり仕事したい人もいます。
クリエイティブな仕事がしたい人もいれば、ルーチンワークを好む人もいます。
働き方が自分に合っているかどうかは、軽視されやすいですが重要な要素なので、
じっくり決めた方がいいでしょう。
- まとめ
下記のPDCAサイクルを繰り返すと、自然と精度は高まっていきます。
- 調査:まずは、目的を持って情報収集を行います
- 分析:それを自分の中で噛み砕きます
- 仮説:自分がその業界、会社に合っているのか、価値を訴求できるか考えます
- 検証:仮説が同期や先輩、目上の方や会社の人事の評価を得ることができるか実際に
採用試験などで試していきます
次は、「フェーズ2 企業を調べる」になります。
- To Be Continued -