さくらんと美
舞台は吉原、土屋アンナのおいらんと椎名林檎の音楽で、とことん面白そうな「さくらん」を
観てきました。
- 監督:蜷川実花
監督は、日本で最も売れる写真家といわれる蜷川実花さん。
TVでドキュメンタリー特集がって、その中でマリ・クレールの写真(このときのモデルも土屋アンナさん)
を撮っていましたが、その描写はすごいの一言。CGを使った合成写真かと思いきや、背景にCGによる看板を用意して一眼レフで撮影したもので、
出来上がった写真は、違う世界に迷い込んだかと錯覚するようなものでした。
蜷川実花さんのオフィスはピンクを基調にVividな色使いでつくられています。
彼女いわく「イメージが沸く」そうです。
普通の人だったら、落ち着かない空間でしょうね。
そうそう、彼女は劇作家の蜷川幸夫さんの娘でもあります。
- 主演:土屋アンナ
なぜおいらんなのに、ハーフの土屋アンナ?って思いましたが、
映画を観て納得しました。
あの色気、雰囲気、空気感、そして外見。
彼女は、この映画に必要な要素をすべてそろえていたように思えます。
モデルだからでしょうか。
圧倒的な存在感はすばらしいの一言ですね。
他のおいらん(菅野美穂、木村佳乃)を完全に喰ってしまっていました。
- 映像:写実美
監督の映像センスが、当映画においても発揮されています。
ここまでハッとさせられる映像を幾度もはさむことができるのは、彼女ならではでしょう。
日本の国花である桜がところどころでフィーチャーされます。言葉では伝えられないので、見てください!ってところです。
- 評価:ベルリン映画祭にノミネート
「さくらん」は彼女の初監督作品にして、ベルリン映画祭にも日本映画で唯一ノミネートされました。
僕はこれは日本を代表する作品になってもいいのではないかと思いました。
日本という文化を端的に表していると感じたからです。
おいらんについての説明がもうちょっと詳しければわかりやすかったかもしれませんが、
そこは不必要なのでしょうね。