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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

SI(≒受託開発)とファイブフォース分析(まとめ)

これまでのエントリにて、SIビジネスをファイブフォース分析してきました。


5つの項目それぞれについて、今回のエントリにてまとめ、
SIビジネスの方向性を示してみたいと思います。

  • 新規参入の脅威:インド勢
    • システム構築経験によるクライアント業務の仕様について深耕を図る。
    • 主要システムにおいて実績をつくり、パートナーシップを結ぶほどに重みを持つベンダを目指す。
  • 業界内の競合企業との敵対関係
    • RFP以前:経営戦略に踏み込んだSI
      • 経営戦略に沿い、迅速にシステムを提供、運用までカバーできる真のワンストップSIerを目指す。
    • RFP以後:人材
      • 主要クライアントにはコア人材を配置し、実績をつくる。
      • その実績を元に、横堀もしくは縦掘し、回せるプロセスを策定し、PJにて運用する。
  • 代替品の脅威
    • プログラム(サービス):SaaS、パッケージ
      • SaaS、パッケージに対抗するため、コンポーネントを流用できる人材、仕組みをつくる。
      • 人材としては、アプリケーションアーキテクトを育成、もしくは準備する。
    • ドキュメント:日本という国が言語的に他国の障壁が高い事は強み
      • UMLを適材適所で用い、INPUTとOUTPUTの流れを踏まえたテンプレートを作成。
    • 保守・運用サービス:中国、インドなどの安価なアウトソーサーがさかんに
      • インド現地での法人をつくるなど、アウトソーサー先のコストを抑える。
  • 買い手の脅威
    • ビジネス機会:クライアントのシステム戦略、予算ベースで発注如何が決まる
      • クライアントとの付き合いを深め、予算や計画を前もってキャッチアップする。
      • 上記を踏まえ、迅速に動き、対策を打っておく。
    • 主導権:オープンシステムやOSSというマクロ環境変化により、ベンダのわがままが効かない
      • クライアントの現状のシステム環境を踏まえる。
      • その上で、考えうる選択肢のナレッジに即対応できるよう人材配置、教育に柔軟性を持たせる。
      • 既存の囲い込みのパラダイムから抜け出し、クライアントオリエンテッドな提案を習慣化する。
  • 供給業者の脅威
    • スキル習得:
      • クライアントのシステム事情から、提供する可能性のあるミドルウェアを考慮する。
      • 考えられるミドルウェアのナレッジを持つ人材を揃えておく。
      • 教育機関を把握し、即時にナレッジを吸収できる体制を作っておく。
    • 障害:
      • アライアンスを組むなどして先方のナレッジを取り込む。
    • アップデート:
      • アライアンスを組むなどして先方のナレッジを取り込む。


以上が私の見解です。


いずれにせよ、マクロ環境の変化により、SIビジネスは多くの変化にさらされています。


その上で、自分達に何ができるのか?を考えながら動いていかなければ
すぐに飲み込まれてしまうほど、この変化は大きいものです。


なあなあで受注できていた時代は終わりを告げ、

  • かませ犬的にコストが安いところをコンペ相手に選ばれ、コストを下げる事を要求する。
  • システムをきっちり構築しても、次の案件ではコスト的に競争にならずに情け無用に失注。

といった感じです。


イノベーションのジレンマ」にどう対抗していくか。
ベンダーの今後の成長には「戦略」が大きく関わってくる事は間違いないでしょう。