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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

ドリコムが失速した3つの理由

ドリコムが失速した理由は以下の3点に集約される。

  1. 収益性・引合割合低下:事業のコモディティ化による競争激化
  2. 営業力不足:営業が新卒に偏り、中堅層が空洞化
  3. 収益力不足:中長期的に投資が必要な事業に注力し、衰えるメインのブログ事業から目を背け、フローの収益が欠落。


新規参入の間は学生起業家とブログという物珍しさで話題をさらい、
各種メディアに露出、引き合い(PULL)での受注を取り続けたアーリーステージは
よかったが、ミドルステージに上がった際の戦略とそこに紐づいた
採用計画がまずかった。


PUSH型の営業スタイルへの移行がうまく機能しなかった。
理由は、複雑にファクトが絡み合い、マーケティング、テクノロジー、ナレッジマネジメント
などの豊富な知識と事業経験を要する(はずの)ドリコムのコンサルティング営業は、
事業経験のない新卒には敷居が高かったからだと推測される。


かつその営業のコンピテンシーを標準化/フレーム化できる人間がいなかったのでは
なかろうか。
この事により、メイン事業であるブログ事業においてフローの収益が欠落した。


また、ストックで収益を産むはずのドリコムCMSも差別化要素が薄く、
次第に競争力を出せなくなった。


すべては見誤り。


事業を一通り経験した取締役がいれば、こうはならなかったのかもしれない。


ミドルステージのベンチャー企業が次の成長戦略を策定する際は、
「先見性」や「目新しさ」だけではない「腰を据えた成長戦略」が
必要なんだと気付かされました。


自らの競争優位性(学生起業家/ブログ構築実績)をしっかり認知し、
メインの既存事業を伸ばし続けながら、中長期的なB2C事業に投資する
キャッシュフローを維持するようにしなければならない。


当初、あまりにうまく行き過ぎたために、その成功体験が
「謙虚さ」をドリコムから奪ってしまった。


また、取締役達は上場で「上がり」を感じ、満足して
しまったのかもしれない。


そうなれば、組織はシラけてしまう。