ロジカルシンキングの2つの手法
新卒も入ってきて、わたわたしている会社が多いと思うが、
社会に入って必要とされ、かつ学生の頃とは大きく違うものの1つに
ロジカルシンキングがあると思う。
ロジカルシンキングについて、まとめてみる。
大枠
ロジカルシンキングの大枠は2つしかない。
たった2つである、どうってことないですよね?*1
演繹的論理
演繹的論理は2つ以上の情報を関連付け、論理を見出す。
ex:
- 税金が上がると、消費者がお金を使わなくなる。
- 消費者がお金を使わなくなると、スーパーマーケットの売上が下がる。
よって、
- 税金が上がると、スーパーマーケットの売上が下がるだろう。
ex:
- 株式市場の売買高が徐々に盛り上がってきている。
- A証券会社の売上は、株式市場の売買高に大きく依存している。
よって、
- A証券会社の売上は、徐々に盛り上がっていくだろう。
帰納的論理
帰納的論理は、事象の共通点に着目し、論理を見出す。
ex:
- シャープの決算があり、携帯電話部門の今期の売上が大幅に向上した。
- 松下電器の決算があり、携帯電話部門の今期の売上が大幅に向上した。
- NECの決算があり、携帯電話部門の今期の売上が大幅に向上した。
- 富士通の決算があり、携帯電話部門の今期の売上が大幅に向上した。
よって、
- LG電子の決算でも、携帯電話部門の今期の売上が大幅に向上する事が想定される。
※上記は例え話。
演繹的論理と帰納的論理の使いわけ
しかし、現実やビジネスの世界では演繹的にスパッと切れる事象など
ほとんどない。
市場の論理は常に変化し、アップデートされているからだ。
なので、どうするかというと、2つのロジカルシンキングの手法を併用し、
精度を高めていく。
また、帰納的論理で使う事象は、共通するところが多い事象を選ぶ。
(多くは、なるべく新しいものと考えてよい)
ex:
- 帰納的論理1
よって、
- 日本市場をメインマーケットにしている日本企業の携帯電話部門は今期の売上が大幅に向上する事が予想される。
- 帰納的論理2
よって、
- グローバル市場をマーケットにしている外資企業の携帯電話部門は今期の売上が前期と変化がない事が予想される。
- 演繹的論理
- LG電子はグローバル市場をマーケットにしており、日本市場をメインマーケットにしていない。
よって、
- LG電子の決算では、携帯電話部門の今期の売上が前期と変化がない事が想定される。
帰納的論理で挙げた例と上記の例で、何が違うのかというと、
「LG電子→携帯電話部門を持つ会社」で思考が止まっているのが前者。
もう一段、共通する情報を集め、
「LG電子→携帯電話部門を持ち、グローバル市場をマーケットにしている会社」
まで深堀したのが、後者である。
この1つの情報だけで、精度が大きく異なる。
そう考えると、、グローバルで変動相場性で為替が動く、今の世の中は
あらゆる要素が上記のような論理でぐるぐると決まっていくわけで、
すっごく面白い。
新聞記事やブログを読みながら、
「いやー、それは帰納的論理で導くにしても事例が少なすぎるんじゃない?」
と帰納的論理で、その妥当性を検証したり、
「明日、今日の東京の為替相場の結果をもって、アメリカの為替相場はこうなるだろう。」
と演繹的論理であたりをつけて、実際どうなるか検証するなど日々、いろんな事例を
材料にできる。
で、ロジカルシンキングが身についてるか否かっていうのは、
そういったところで、日々深く思考を巡らせているか否かだと思います。
結局。理由としては
- ビジネスの現場でなくとも、仮説&検証の精度が上がっていく。
- 事実を知れば知るほど、上記のような帰納的論理を使いやすくなる。
知り合いのCorporate Directions,Incのコンサルタントは
「ビジネスのオンとオフで、オフでは事象を検証する事から逃れたいとか言っているなら、
知的好奇心に欠けているという事であり、本質的にコンサルタントに向いていない。」
と言い放っていた。
確かに最近、そう思う。
深く考える思考って、結局そこに行きつく、か。
*1:引用:Steve Jobsのスタンフォード大の卒業スピーチ