アイデアを聞いてイメージできるか?わくわくできるか?
練られたコンセプトアイデアは単純な思い付きではなく、
深い思想がその中に練りこめられている。
だから、コミュニケーションの施策に関しても、
必然的に非常に入念なプランになってくる。
beacon communicationsが手がけたvidal sassoonのコンセプトアイデア
には本当にマイったし、中村勇吾さんの「プロフェッショナル仕事の流儀」
を見ても、そう思った。
Doveのバイラルムービーも、BMW filmsも裏に企業哲学があり、
それを表現するコンセプトアイデアが消費者への訴求を
可能にしたわけだ。
Youtubeもニコニコ動画も技術的なブレークスルーではないが、
コンセプトが反映されたインターフェースや仕様が爆発的に支持された。
Appleの製品も同じ、SONYがiPodに先んじられなかったのは、
単純にクリックホイールのインターフェースがうんぬんかんぬん
ではなく、iTunesも含めトータルに設計されたコンセプトに
規模感で負けているからだと思う。
また、Skypeは電話機型の端末が非常に売れていると聞いた事がある。
これは、既存のスキームに割って入るためには、
わかりやすいメタファが重要である事を表している。
アーリー・アダプターだけでは、キャズムを越えられない。
大切なのは「実現できるか否か」
ではなく、「伝わっているか否か」である。
自分のアイデアが受け入れられなった事を嘆くのではなく、
レイター・マジョリティの人が
「アイデアを聞いてイメージできるか?わくわくできるか?」
という客観的視点を常に頭に置いて、
- 何を伝えたいのか?
- そして、その表現の方法をどうするべきか?
についても深く検討しなければならない。
近年、コミュニケーション設計において「空気感」を作ることができた事による
成功事例が増えてきている。
その本質を掴んでいるか否かで、リリースされたサービスの成否は
大きく違ってくるだろう。