Planned Happenstance
やや身内に向けたエントリ。
最近、「計画された偶然性」によるキャリア形成によって、
自分のキャリアが大きく変化してきた事。
そして、そこに中身が伴っている事に幸運を感じる事が多い。
「計画された偶然性」に関して、
リクルートワークス研究所の大久保氏のテキストを引用する。
大久保氏は、最初の20年のキャリアは「筏下り(いかだくだり)」、
次の20年を「山登り」と形容しています。
「筏下り」とは、激流を下りながら、オールを使って難所を乗り切っていく
イメージ。
仕事に当てはめれば、ゴールを設定せず、当面の仕事に
目標に向けて全力で取り組むことを意味します。
そして、仕事上の経験やさまざまな人との出会いを通じて、
自分の進むべき道を見出していく段階です。
この段階でのキャリア形成については、「計画された偶然性」という
新しいキャリアカウンセリング理論の考え方が有効だそうです。
これは、「キャリアは偶然性に左右されている」ということが基本に
ある理論です。従来の理論で言われていた、自分の適性を理解し、
一方でどんな職業があるのかがわかれば最適な仕事が見つかる、
という考え方とは対照的なものです。
「キャリアは偶然性に左右されている」というのは、
自分が本当にやりたいことや、どんな仕事に向いているかは、
自分の意思だけでなく、実際の経験や人との出会いの積み重ねの中から
わかってくるものであり、そこには偶然性の余地が大きいということです。
ですから、「計画された偶然性」の理論では、
- オープンマインドであること(優柔不断の歓迎)
- 意思決定(内省)よりも行動してみることを重視
- 偶然の機会を作り出す行動
- 偶然の機会を活かせるような学習
といったことが、望ましい行動と考えられています。
大久保 幸夫 「キャリアと能力の育て方」 via 慶応MCC通信【てらこや】
http://www.keiomcc.net/terakoya/2007/03/sekigaku49.html
ちょうど紆余曲折なキャリアを経てきているライフネット生命保険
副社長の岩瀬氏のテキストがあったので、抜粋。
自分が本当にやりたいことは何か、分かっていない人がほとんどだと
思うし、仮に分かったつもりでいても、その考えが変わることは大いにある。
それは決して悪いことではないし、本当の「私の天職」なるものは
存在しないのかも知れない。
むしろ、その過程自体を自分が楽しむことができ、自分が確実に
成長していけるものにできるよう、そのときどきの偶然に対して柔軟に
対応し、チャンスをつかむことが大切なのではないか。
ボクは色々な経験をしてきたが、その時々で「今自分がやっている
ことが一番いい仕事だ」と信じ、毎日楽しく、学びながら仕事をする
ことができた。
どこか決まったゴールに辿りつくためではなく、そのプロセス自体を
楽しみながら成長していくこと、それ自体がキャリアのゴールであるべき、
というわけだ。
ハーバード留学記 via ハーバード留学記
http://hbslife.exblog.jp/3557754/
上記のように、まとめている。
実際のキャリアは、結構とんでもないが、Wikipediaを参照。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E7%80%AC%E5%A4%A7%E8%BC%94
さてさて、自分はどうかというと、オープンマインドだし、行動派だし、
偶然の機会を作り出すよう行動してきたし、カテゴリを制限せず興味を
持ったものを積極的に学習してきた。
寄り道のようなものもたくさんあった。
が、実はそれは必要な寄り道なのではないかと感じ始めている。
そういった姿勢が自分のキャリア形成やポイントポイントでの決断
に大きく影響している事は間違いない。
などなど行動した履歴を挙げればキリがないが、
普通のキャリアと異なると思えるのは、下記4点である。
- 常に外のコミュニティと接点をもち、客観性を確保してきた事。
- そのチャネルが一般的でない事。*1
- 同カテゴリのコミュニティだけではなくバラエティを優先した事。
- ファクトを集めるために、行動を起こす傾向がある。
ゆえにオリジナルな経験が多い。
他、様々なセミナーなど機会がある度に、講演者か面接相手に
自分の考えを必ずぶつける事にしている。
セミナーの種類は様々で、転職関連でもあるし、業界関連でもある。
某商社のHR統括、オラクルの新宅社長、ヤンセンファーマの関口社長、
arclampの鈴木氏、豆蔵の萩本氏、リクルート、ドリコム、
エニグモ、マクロミル、etc。*2
もちろん、仕事においてもクライアントや代理店には積極的に質問していく。
その中で得た気づきや知見は本当に代え難い。
ある時は意図的に、ある時は本能的にそうしてきた。
ピンときた時に行動に移す傾向があるようだ。
で、今回もなんだか「計画された偶然性」に起因したキャリア形成になりそうだ。
普通の過程であれば、あり得ないだろう選択肢だし、そもそも向こうも
受け付けないだろう。
ただ、いろんな機会がガチッとハマってお互いに足りないピースを
埋めるような形になっただけだ
と考えると、「計画された偶然性」を引き起こすために、
本当に外との接点は大事だと思う。
で、結論は何かっていうと。
若者よ外へ出よって事だ。
特に20代はね。
あと、ピンと来たら接点を確保しておく。
後で得するから、絶対。
- 追記
で、自分は下記で言うとプロデューサー型だろうな。
それ目標に頑張ろうっと。
大久保氏は、プロフェッショナルには3つのコースがあると指摘します。
- ビジネスリーダー型
- 経営者としての知識やスキルを積んだ経営のプロのことです。
- プロデューサー型
- 複数の分野に精通しており、変革や創造を起こすことのできる力を持つプロのことです。
- エキスパート型
- 特定の分野を深く掘り下げ、いわゆる職人的なスキルを持つプロのことです。
大久保 幸夫 「キャリアと能力の育て方」 via 慶応MCC通信【てらこや】
http://www.keiomcc.net/terakoya/2007/03/sekigaku49.html