企業再生における2つのプロセス
企業を再生する過程において、まずShrinkして、その後にGrowthする事
が求められる。
要は、出血をまず止めて(Shrink)、その後に成長(Growth)の施策を打つ。
IBMもGEも日産も松下電器も東芝もそのようにして再生を果たしていった。
Canonも過去、PC分野をShrinkしている。
そして、カネボウ(現クラシエ)はGrowthの過程にある。
Shrinkの過程では捨てなければならないものもある。
IBMにおいては、大きく3つ分野に対し、施策を実施している。
- リストラクチャリング
- 経費削減に対する人員削減
- リエンジニアリング
- 社外との対応
- ハードウェア開発
- ソフトウェア開発
- 受注処理
- 統合サプライチェーン
- 顧客関係管理
- サービス
- 社内プロセス
- 人事
- 購買
- 財務
- 不動産
- 社内情報システム
- 社外との対応
- キャッシュの確保
- 生産性の低い資産を売却して資金を確保
そして、Growthにおいては下記3つの施策を実施している。
- 組織
- ブランド・イメージ
- 報酬
リーダーシップを発揮し、懸命に上記の項目に対して
施策を実施していける企業は、残念ながら少ない。
というのもShrinkの時点で、主観が入ってしまうためだ。
そして、改革は遅れる。
Growthの過程においても、組織やブランド、報酬に対して
過去の過程をひっぱってしまう。
どちらも改革に対する絶対的な基準を見失ってしまうが故、
起こってしまう。
だからこそ、外部からリソースをアサインし、再生を行うのが普通
であるが、GEや松下電器や東芝は生え抜きがShrinkを実施した
という点で素晴らしい。
間違うのは構わない。
ただ、間違いをただすため、リーダーの客観的な観点と
強いリーダーシップはどうしても必要になる。
リーダーが過去の基準やプロセスを引きずり、もっともらしく
客観的事実を曲げてしまっているような組織には未来はない。
時代が変われば、ベストプラクティスだった手法も形骸化し、
間違いに変わる。
それは「エクセレントカンパニー」や「ビジョナリーカンパニー」で
紹介された企業の凋落で帰納的に証明されている。
自分はこういった観点にハマらないよう、留意したい。
p.s.
IBMを立て直した際のストーリーをつづっている「巨象も踊る」は
何度読みなおしても感嘆する。
明確にこれらの項目を挙げて、具体的な実施策までを
披露している。目からうろこだ。
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