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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

everybody wants to be us by プラダを着た悪魔


ネタバレあり。










広告的に見ると、タイトルに「プラダ」を入れてしまうなど、
劇中などに自然と商品を露出させる手法「プロダクトプレースメント」
の極みなんですが、劇中ではプラダというワードは出てこない。
シャネルとかは出てくるけれども。


おそらくアパレルブランド各社に声をかけているはずであり、
シャネルはネームが出てくるが、ヴィトンは出てこない。


入札金額で一番高かったブランドをタイトルに使う。
といった背景があったのではないだろうか。
いや、だって「シャネルを着た悪魔」の方がしっくりこない??




で、内容について、いろいろと思うところがあったので。

前提

  • アンディ=ファッションに興味を持たずに一流ファッション雑誌社に内定をもらった女性
  • ミランダ=キャリアウーマンとして成功を積んだ女性

アパレル業界とマーケティング


セルリアン色のセーターについて、編集長であるミランダが
「我々がそれを仕掛けたのよ」と話すくだりがある。


アパレル業界はマーケティングの最たる例である。と思う。


今年は何色がやどういう組み合わせが流行りだというものが
パリなどのファッションショーや著名デザイナーを起点として、
決められているわけだ。


でなければ、コンサバ(保守的)なんてカテゴリは存在しない。


すごく大きな潮流の中で、店舗には服が並んでいく。

ミランダの根回し


ミランダが根回しをして、実行する政治的なやり取りにも注目。


卑劣だと言う人もいるかもしれないが、彼女の「力」である事を
忘れてはならない。


彼女は自ら育ててきたリストを自らの力として表現した。
デザイナー、カメラマン、編集者。。


経営層が経営という権威を振りかざすなら、
彼女は彼女なりの力を誇示する。

生き方の選択


アンディはミランダの秘書として成功し、約束された将来がありながら、
その場を降りる。


流されていた自分に気付き、自分の信念に従う事を選択する。


ミランダは彼女に再会し、ハイヤーに乗り込んだ後に笑顔を見せる。


「良かったわね」
というように。


そして、「GO!」と指示する。


彼女は彼女の生き方で生きる。その意思表示に思える。




"everybody wants to be us"


とミランダはその直前に話している。とは言いながら、
他の生き方も認めているという姿勢が上記の態度に表れており、
面白い。


生き方に正解はない。
よって、人の優先度にも正解はない。


ただ、その人が豊かかどうか、
そしてその人が世話するべき人が豊かかどうか
が基準だと思う。


なので、個人的には人の優先度にあーだこーだ言う人が
嫌いなのである。
金曜の飲み会でそれでイラッと来て、つい反論した。
(話題のほとんどがそれだったのだ。)


いや、別にいいじゃないですか。


公務員で定時で帰って、奥さんと子供と過ごす時間を大切にしてもさ。
って思うんですよ。
大企業に忠誠を誓って一生懸命勤めるのもいいんじゃないかって。


自分が違う生き方を選んでいるのは、そこで得られるものが
自分の優先度の中で低かっただけの事だよ。
どっちが正しいなんて事はないんです。


日本人って島国だからか、そういった多様性に対する許容が
極端に弱いよね。
自分がマイノリティだったら、そのマイノリティの基準を
一生懸命に「一番正しい」という方向にもっていくよう
論理を構成するもの。


そこは、意識しておいた方がいいよなーと思った今日この頃。


p.s.
余談ですが、安室奈美恵ヴィダルサスーンのプロモーションの
ファッション面を担当しているのが、この映画のスタイリスト
「パトリシア・フィールド」。


特にアン・ハサウェイ(アンディ)について
素晴らしいファッションで魅せてくれます。