ロジカルシンキングの要素を仕事に取り入れる事で効率が上がる
欧米は多種多様な人種と交流するために「他人に説明するためのスキル」
が比較的優れていると思う。
中国のような広大な国においても、少数民族を考えると
多様な民族がいる事になる。
対して、日本人は島国であり、共通の文化であるがゆえにそのスキルが
ちょっと弱いと思っている。
グローバル化故に「他人に説明するためのスキル」はこれからより重要
になってくるわけで、そこで必要になってくるのが、
ロジカルシンキングで使われるメソッド(手法)だ。
話は変わるが、コンサルタントへの誤解として典型的なのは、
コンサルタントという人は「魔法の杖」を持っていて、
その杖を一降りすればすぐに売上が倍になる、というものだ。
しかし、コンサルタントのやることは「誰も思いつかなかったようなアイデア」
ではなく、みんななんとなく分かっていたのだが、
データで実証されていなかったり、優先順位が立てられていなかったり、
因果関係が不明だったりしていることを整理、整頓し、理路整然と計画に落とす
というものである。
ようは、ABC (当たり前のことを、バカにせず、ちゃんとする)を徹底するということなのだ。
現代の経営戦略 via 河合拓のブログ
コンサルティングに限らず、何の業務にせよ、この考え方は重要。
コンサルティングの業務で主に使われるのがロジカルシンキングの
ロジカルシンキングで使われるメソッド(手法)だ。
ロジカルシンキングの効用
例えば、業務に役立つところで一部あげると、以下のようなものがある。
- MECE:漏れなくダブりがない
- ファクトベース:事実に基づく
- ピラミッドストラクチャー:階層毎に要素を整理する
MECEに作業を行ったり、資料を作成する事で無駄を省く事ができるし、
作業は最短経路で進む。
ファクトベースにする事で多くの人の納得感を得られる。
「私はこう思うから、ヒットする(N=1)」ではなく
「知人女性50人にアンケートを取ったところ、
半数以上が欲しいと思っているから、ヒットする(N=50)」
の方が説得力がある。
ピラミッドストラクチャーを把握する事によって、
どのレイヤーの議論をするかにより、会議の目的を明確にでき、
議論の拡がりのブレを防げる。
例えば、デザインを決める会議であれば、
大枠のレイアウトを決めているのか、詳細の画像イメージを決めているのか。
プロモーション費用の予算策定の話であれば、「値下げ」については
同じレイヤの別のツリーになるので、言及させないなど。
ロジカルシンキングの効用は何よりも明確になる
事に尽きると思う。
自分がやるべき事、誰かにやってもらう事がクリアになり、
頭の中が整理されるし、報告もすぐに出来る。
報告を受けた相手もその内容をスッと理解できる。
プロジェクトの設計とロジカルシンキング
例えば、プロジェクトを設計する際に、WBSを構築と思うが、
その作業自体にロジカルシンキングをフルに使う。
その結果、下記の事が達成される。
- 成果物を把握し、
- 作業の漏れをなくし、
- 作業の依存関係を整理し、
- 作業の優先順位を決め、
- 作業間の関連付けをし、
- 作業に必要なリソースを把握し、
- 作業に必要なリソースを割り当て、
- 測定可能な指標を設定し、
- 他人に説明するための出力結果をつくる
Excelで設計すると、依存関係をうまく設定できないので、
私はMicrosoft Project*1を愛用している。
WBSをくみ上げてしまうと、何が遅れると他の作業にどう影響するのかが
一目瞭然となる。
かつ、そこで得たナレッジを次のプロジェクトに流用できる。
が、その精度はロジカルシンキングの力により大きく変わってくる。
最近、改めてロジカルシンキングの重要性を痛感する。
*1:フリーソフトのGantt Projectを使った事もあるが、うまく動かないし、ビューがいまいち。