見積もり法から見るSIerの今後の戦略
プロジェクトの見積もり法としては、COCOMOやFP法などがある。
そういった見積もりの手法は、
- 過去の実績
- エンジニアのスキル
- ソースコードの行数
- 機能数
- 機能がどのデータにアクセスするか
- データベースのテーブルの数
などが変数となり、算出される。
そして、これらの見積もり法が正確に動作する前提として、
以下の事がある。
- 正確な要件を把握している
- 要件に必要な機器を把握している
- ほとんどがルーチン作業
- 使用するアーキテクチャが一定
- 開発環境における条件
しかし、実際はどうかというと
- 見積もり手法の中に反映されていないが、工数に影響を与える変数がある
- 前提条件を詳細に達成する事は諸所の事情で難しい
よって、工数は見積もり以上に増大する傾向にあるが、
そのリスクを工数に盛り込む事は難しい。
また、一方で科学的な見積もりではなく、経験則に基づいた見積もりしか
しないという人も多い。
このあたり、戦略的に動いていってクライアントとがっちりパートナーシップ
を結ばなければSI自体が事業として難しくなってくるだろう。
例えば、NTTデータは過去の経緯から、官公庁に深く入り込んでおり、
そのあたりの情報を多く持っているが故に、適切な提案と見積もりが
可能という面はある。
他、過去にIBMはクライアントの情報システム部門をアウトソースさせ、
合弁会社をつくることで、競合に対し一歩リードした。
(この戦略に関しては、一昨年にホンダなどが見直しをかけているとの発表があった)
こういう点を戦略的に実行しなければならないが、どうも愚直にやりすぎている
嫌いがあった。
愚直にやる事ことも大事だが、戦略も大事だ。