大企業の内部を知るための書籍
本日紹介する「ソニー本社六階」は大企業の実態として、
どのようになっているのかを示している。
- 作者: 竹内慎司
- 出版社/メーカー: アンドリュースプレス
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
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正直、筆者はちょっと出しすぎている感があって、それを書籍のような
非常にパブリックな形でここまで出してしまうのは、背任行為にも思え、
個人的にはあまり好きではない。
(訴えられないんだろうか?)
一方で、だからこそ、多くの人に目を通してほしいと思う。
ベンチャーの人間にはもちろん、大企業に勤めている人間も
あまりここで語られているような事がわかっていない人が
見受けられるため、読むといいと思う。
なぜかというと、この本には大企業に勤めてみないとわからない、
表には出てこない重要な物事がいくつも詰まっているからだ。
自分が知っている限り、ソニーには若く優秀なエンジニアが
多いと思う。
彼らは遊び心に優れ、守備範囲も広い。
一方で、経営としては、事業領域をあまりに広くカバーしすぎたが
故に、かけるべきところに経営リソースがかけられなかった
という問題があるのではないだろうか。
そして、それは日本の大企業のコングロマリット経営の
多くにあてはまるのかもしれない。
御用聞きを子会社社長にしたところで、迅速で適切な判断に基づいた
経営の遂行は不可能だ。
「日本には、圧倒的に経営のプロが足りない。」
とはBCG最初の日本人コンサルタントである三枝匠氏の弁だが、
一流といわれるソニーでも、経営者が経営をしていないような状況
(詳細は書籍で)だったのだから、それは仕方がない事だろう。
ただ、企業はこの数年でまた大きく変わろうとしている。
それは、変化は常に自分の身近にいるという事だ。