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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

自分のExpertizeに特化する事の大切さ


「それは君のExpertizeじゃないよね?」と社長に言われました。


んっ?
と思ったんだけど、Expetize(エクスパティーズ)は「専門性」とか
っていう意味ですね。


思い返せば、自分が大企業時代に「おかしいんじゃないか?」と感じていたのは、
やれる人にやらせる文化」でした。

「やれる人にやらせる文化」はいいのか、わるいのか?


いや、もちろんそういうのが大事だったり、仕方がなかったりする
タイミングもある事はわかっています。


しかし、それを盾にして、「やれる人にやらせる」のは間違っている。
と私は思います。
なぜなら、優秀な人材が疲労してしまうからです。


「それって会社のため、ひいては社会のためだろうか?」
とよく考えていて、上司とよく口論してた。


私は、プロジェクトリーダー兼アプリケーションアーキテクトとして
立ち回っていましたが、その人材にインフラ構築やテストの確認など
現場の手を動かす作業まで任せてしまったら、それは残業200Hオーバー
しますよ、さすがに。


本当にアプリケーションアーキテクトが標準化すべきところって
緊急でないけど重要」なんです。
そこってやっぱり手を動かす系の「緊急だけど重要でない」ものより
優先度が下がります
一方で、それを標準化してしまえば、5つのモジュールを2つのモジュール
に減らす事が出来る場面は数多い。
余談ですが、こういう全体工数を下げる作業は受託を受ける側は受託金額が減るからやりたがらない


しかし、標準化できる部分を見つけ、それを適用していくメソッドを
作り出すのは、非常にクリエイティブさを要求します
よって、かける工数が大きい。だから、上記に挙げた理由もあって
後回しにされる。


そのとき、マネージャは「君は君のExpertizeに特化せよ!」
と判断すべきなんですね。
将来的な競争優位性を見つつ、動かなければならない。


そして、人材が不足する部分には、適切な人材をアサインする。

製造業の工程とナレッジワーカーの工程の違い


余談ですが、生産工程では、工作機械に不要な機能は持たせず
その工程において、最低限必要な機能を最大限発揮できるように
設計するものだと思います。


例えば、コンビニのおにぎりを握る工作機械は
盛られた米を適切な三角形に握るための機能に特化しています。
自動車の生産工程も同様です。


製造業は流れ作業だから、っていうのもあるかもしれませんが、
ナレッジワーカーも見える作業が見えなくなっただけであって、
工程が分割しているのは変わりません。
ある意味、流れ作業的なところも大きいです。


しかし、工程の対象がナレッジワーカーになった途端に、
「やれるから」という理由でガシガシ任せてしまう。


それはおかしいでしょう、と。
それでは、工程を最適化できるわけがない


機械が金属疲労するように、それ以上に人は疲労します。
それは数値化できませんし、表に現れにくい。


疲労した人材は、本来のポテンシャルを発揮できない仕事を
こなし、バリューを出せなかったする。
それは見えない損失なのです。
しかし、見えないが故に、うやむやにされてしまいがちです。

逆に考えると、すごく未開拓な分野


ナレッジワーカーの工程分析っていうのは、
コンサルタントとかが月400万円とかもらってやる作業です。


本来、ナレッジワーカー、特にマネージャは
それを見なければならない。
そして、その結果、誰がどの工程に携わるのが最適か
判断し、最大限のパフォーマンスを発揮するように
全力を尽くして、マネジメントしなければならない。


難しいのはわかっていますし、やれって言われたからって
自分に出来るわけでもないです。
ただ、それをやる意義をわかっているし、
そこに向かう覚悟をもって常に仕事にあたっている。


まだまだ日本は特にナレッジワーカーは非効率だと
思っています。
グローバルなリソースの使い方も甘々ですし。


でも、逆にやりがいがある、開拓しがいがある!
とも言えますよね!