情報のデザインとインフォメーションアーキテクトという職能
装飾と情報、2種類のデザイン
デザインには主に2種類のタイプがあります。
装飾のデザインと情報のデザインです。
前者は職能としてのデザイナーが得意とする分野で、
デザインにおいての専門知識が要求されます。
後者は職能としてのインフォメーションアーキテクトが得意とする分野で
ターゲットユーザーの分析、ユーザビリティ、コミュニケーションを通じて、
ターゲットユーザーに対する導線設計を元にした
コンテンツの配置やナビゲーションの設計、検索エンジン対策、
流入経路に対して最適化されたページの設計(広義のLPO対策)、
KPIの設計などを行っていきます。
用いるツールやドキュメントもデザイナーとは大きく異なります。
実際のところ、インフォメーションアーキテクトはまだ新しい職能であり、
認知度は低いですが、Webサイトの成否を分ける重要なタスクを担う職能
と言っていいでしょう。
なぜ、Webサイトの成否を分けるのかは、次回のエントリに記載します。
インフォメーションアーキテクトがその職能を存分に発揮する
情報アーキテクチャ設計・実装の領域に対し、チャレンジされているビービットは
順調に業績を伸ばし、ネットイヤーは上場を果たしました。
ビービット、ネットイヤーともにコンサルティングファーム出身者が
少なからずいるように、ファクトベース・仮説思考型の高度な分析能力を
必要とする職能と言えるでしょう。
インフォメーションアーキテクトの職能
抽象的な言い方をすると
・情報アーキテクチャの設計・実装に関する各種タスクを遂行可能な事
がインフォメーションアーキテクトの職能と言えます。
とはいえ、「情報アーキテクチャ」自体にピンと来ない人が多いかと思いますので、
ネットイヤーのWebページにあるインフォメーションアーキテクトの要件を紹介します。
- 職務内容
ディレクターから示されたクリエイティブコンセプト、表現方法の指針をベースに、
そのクリエイティブに託された目的を達成するための、
もっとも効果的なユーザーの体験シナリオを策定し、
そのシナリオを実現するためのナビゲーションおよびインタラクションの方法を提案します。
具体的には、サイト構造、画面仕様、ユーザーインターフェース仕様の作成を行います。
- スキル
- ユーザーシナリオ作成能力
- 情報構造、ナビゲーションの設計に関する知識と経験
- UI設計に関する知識と経験
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション能力
- ディレクション能力
ビービット、ネットイヤーともにコンサルティングファーム出身者が
少なからず在籍しているように、ファクトベース・仮説思考型の高度な分析能力を
必要とする職能と言え、感性で勝負するデザイナーとは使う脳が異なる
と言えるでしょう。
次回は、広告のデザインとWebデザインの違いについて記載します。