広告のデザインとWebデザイン
広告のデザインとWebデザインには大きく2つの違いがあります。
- 1点目は、ユーザーに情報を届ける、デリバリーに気を使わないか使うか。
- 2点目は、枠が限られているかいないか。
広告のデザインはデリバリーにあまり気を使わなくて良い
広告のデザインにおいて、デリバリーには
ほとんど気を使わなくてよいと言えるでしょう。
そもそも、デリバリーは雑誌やTV局などメディアの仕事だからです。
また、表現する枠*1も限られており、その枠の中でクリエイティビティを発揮する作業になります。
もちろん、広告を誰に見てどうして欲しいか?は設計する必要があるので、
広告代理店においては、ストラテジックプランナー*2という職能がそれを担当します。
そして、どのメディアに出稿するのかを設計するのはメディアプランナーの仕事であり、
広告のデザインを担当するクリエイティブディレクターの仕事ではありません。
(最近はメディアありきのプランニングではなくなっており、コミュニケーションプランナ一などの職能を配置する広告代理店が出てきています。)
Webデザインはデリバリーのケアに多くのリソースを割かなければならない
一方、Webのデザインにおいては、デリバリーがまず重要になってきます。
でなければ、アクセスすらされないか、アクセスされてもすぐに離脱されるコンテンツになってしまいます。
また、枠も限られておらず、予算の許す限り、いつ何ページでもコンテンツを提供する事が可能です。
枠が限られていないという自由度の高さに関しては、うまい話ばかりではありません。
10年前に比べ、600倍もの選択可能な情報を手に入れたユーザーは
ますます自らに必要な情報にしかアプローチしなくなってきています。
携帯電話の通信高速化やコンテンツの増加により、情報量はこれからも増加をたどるでしょう。
その中で、Webというのは特に情報が氾濫している世界であり、
ユーザーのアテンション、トラフィック、滞留時間の奪い合いの世界とも言えます。
ユーザーがアクセスし、かつ離脱させない、または使われ続ける
サイト・サービスを提供するには、ユーザーが何を求めているかという
目線を常に意識し、進化し続けていかなければなりません。
具体的に言うと、バナー広告、TV CM、検索エンジンのキーワード広告、メールマガジン。
様々な経路から、様々な目的を持ち、アクセスするユーザー。
それぞれのユーザーの目的を満たすようなWebサイトを提供する事です。
また、その経路自体の設計までをWebデザインに織り込む事で、
ようやくWebサイトのコンテンツのポテンシャルが真に発揮されます。
Webデザインとインフォメーションアーキテクト
コンテンツの魅力だけでトラフィック、ページビューは集まりません。
- ユーザーを知り、(ターゲットユーザーのインサイト分析)
- ユーザーにサイトの存在そのものを知ってもらい、(経路分析、トラフィック獲得)
- かつコンテンツがユーザーにとって必要なものである事(目的毎のコンテンツ設計)
をきちんと設計し、ユーザーに伝達しなければならないのです。
これらを考え、設計し、実装するのが、
先のエントリにて記述したインフォメーションアーキテクトの仕事です。
この職能は、情報爆発社会の中で、より重要視されていく資質となる可能性が高い
ものと思われます。
ECサイトであれば、インフォメーションアーキテクトの力量が売り上げを大きく
左右する事となるでしょう。
参考
- ブログ内記事へのリンク