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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

感性を磨く


小説「天使の卵」を読んだ。


村山由佳さんの作品は気になりつつ、今回初めて読んでみた。


主人公の心情や情景がすっと入り込んでくる。
主人公と彼女が初めて会ったプロローグからぐいぐい引っ張られた。


大げさではなく、ただ不器用な、普通の人間の感情。
まっすぐな彼女への想い。


これだけ心を動かされた小説は久しぶりだった。


新人賞の選考委員の言葉としてあとがきにこう書かれている。
「よくこれだけ凡庸さに徹することができると感動するほどだが、
ひょっとすると、そこがこの作家のある才能かもしれないのだ。」

言葉はあまりに雄弁でそして、直接的で、ニュアンスや情景を
「伝えること」は本当に難しい。
だから、読みながら心情や情景が次々と写る作品は、価値がある。


漫画は静止画を見せられるから、伝えやすい。
小説は伝わりにくいことに価値がある。


でも、読みながら、その「間」を埋めるため、想像をし、感情を重ねる。
それはあまり周知されていないが、感性を磨く大切な方法だと私は思うのです。


あなたの感性を磨いてきたものは何ですか?


天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)