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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

ビジョンの意義


書籍「ビジョナリーカンパニー」で指摘されているように、ビジョンは
重要です。


マネックス証券CEOの松本大さんは
「社員のベクトルが同じ方向に向いていなければ力は分散し、本来の力を発揮できない。」
とおっしゃっています。


新卒の頃とかはビジョンやキャリアパスなどに定義されている事自体に
共感したりしていた面もありますが、今は違います。


何が違うかと言うと、定義されているものに対して、
以下の点を重要視するようになりました。

・実績
・実績がまだない場合、アクションプランが明確であること
・アクションプランだけでなくDMAICが明確であること
※言いたかったのはDMAICではなくSMART。でも、SMARTもビジョンに大してはふさわしくないですね。


今まで言ってきた事が実行されていないなら、アクションプランDMAIC
明確にすべきでしょう。
もちろん期限付きで、定量化できれば数値も提示すべきです。


「言うや易し行うは難し」だからです。
それを必要最低限社内に通知する必要があります。


私は「ビジョン」は後付けでもいいと思っています。


「明文化されたビジョン」は
肥大化した組織に方向性を浸透させ、一貫性を持たせるためのツール
であるためです。


実際は、その人の在り方自体が「ビジョン」に向かっています。


「ビジョン」が明確に文言化されていなくとも、
人の行動性には一貫性があるはずです。
STEVE JOBSスタンフォード大学でのスピーチで出た「点と点をつなぐ」
はまさにここを指摘しているのではないかと思います。


思い立って理由なく行った行動にせよ、自らの中の一貫性の中に
動機があるのではないかという事です。


少なくとも自分はそうで、今思い返しても、新社会人になった時の
大枠の成し遂げたい事は変わっていません。
それは「日本に競争力をつけ、よりよい社会をつくる」事です。
そのために、自分が貢献できる事として、前エントリで挙げた「3つのブレない事」
が必要だと考えています。
私が就職活動を行っていた頃、日本はグローバルな評価を失い、日経平均は7,000円代でした。
ITのマネタイズはMS/IBMDell/hp/Googleにもってかれていた。
この勤勉で努力家な国を愛しているからこそ「なんとかしたい」という気持ちがありました。
だから、SIerとしてビジネスとITを繋ぎたかった。


さて、話を戻して。


キャリアもそうですが、過去の行動に一貫性がなければ、そもそも創られた
「ビジョン」はCheapであり、説得力に欠けるものになると思います。


リッツカールトンの「クレド」も、そういう方向性が事業に反映されているからこそ、
説得力を持ちます。「うん十万円の決済が個人に任されている」事が一例です。
これは実績があり、アクションプランに落とされているからこそ、説得力があるのです。
IBMもそうです。
再建したルイス・ガースナーは「本当に我々は顧客に価値を提供できているか」と
ビジョンに立ち戻りました。
そして、そのための明確なアクションプランを立て、実行に移し、
今のIBMがあります。結果、IBMはメーカーカンパニーからサービスカンパニーへシフトしました。


本当に大切な事は「何を持って示すか」であり、それは決して「テキスト」ではない。
アクションであり、その人からにじみ出る人格だと思います。
ある意味、それが湧き出ているようならビジョンなんてなくとも、見えている限りは
同じ方向性に動いていくのではないかと思います。


ここは、気をつけたいところですね。