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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

SIerで働いてたから今の自分があるよ

俺は、日本のSI業界を変えたくていろいろ試行錯誤してる。
つい先日、プログラミングファースト開発という試みも発表した。
ブクマのコメントやトラックバックで本当に多くの人から意見をもらった。


みんな日本のSI業界について本当に真剣に考えている。


こんな真剣な人々に対して、SI業界は、過去に国際競争力を
持たなかったし、これからも変えられないと主張することが
どういう意味を持つのか梅田さんにはもう一度考えて欲しい。


モッチーの国際競争力という上から目線
via ひがやすを blog


私もSIerの一線で働いてきた人間として一言。
確かに梅田望夫氏の言いたい事はわかるけど、ひがやすお氏の
返しの主張も痛いほど分かる


っていうのは、自分も世界標準の「IT」っていう領域で、
実際にインドあたりとコンペでガチって来たから。
つらいインプリもしたからね。


そりゃ、ITILの仕様とか見て、「日本はこういう観点が遅れてるな。」
とか思ったし、「SAPはよくつくってるし、戦略もしっかりしてるな。」
とか、「結局ミドルウェアに振り回されるのはおれらSIerかよ。」
とか、クライアントが、キャッシュカウな運用領域を安いインドへ
シフトしていくのを「そりゃないよー」って思いながら、はためで見てた。


でも、そういった中で試行錯誤して、どう価値を出していくか
必死に考えてた。
「自分達にあって、競合にないところは?」
「競合にあって、自分達にないところは?」
「競合の安い部分を補う付加価値をどう提供し、どうプレゼンするか?」
「業界動向はどうなっていて、どういう立ち位置が求められるか?」
オープンソースをどう活かして、プロジェクトに貢献させるか?」
とか。


そこで鍛えられたから自分の戦略思考が出来上がったって言える。
今でも「付加価値」については、常に考える癖がある。
役に立ってるよ。すごく。


そして、ひがやすお氏はそのSIerの中で、一線級でやってるのを
知ってる。


現場でやっても変えられない(教育と同じ)から、
自らアーキテクチャを作って、エバンジェリストになって提唱して、
インプリしていこうとしてる。


確かに業界としてはきついけど、
自分を鍛えるって言う意味ではいいフィールドだと思うSIerって。


だからこそ、変えていって欲しい。
応援したいなあ。


これからSIerはどう進めばいいんだろうか?


広告は「メッセージを伝える」っていう観点から、民族性や文化が強く影響してくるけど、
システムにおいてもそのがありがはクリティカルに影響してくる。


欧米だったらトップダウンで業務プロセスを変えれるからSAPや
SaaSの標準導入が入れやすいとか。レイオフもしやすいし。
日本は逆で、現場が強いし、レイオフもかなりしにくい。


その中でやはり「調整」というのは大きな要素になるんだよね。
いかにファジーな部分をヒアリングして、取り込んで仕様に入れ込むか。
ステークホルダー間を一所懸命に調整したりとか。


まずはそこをしっかり抑えられるような人材を育てる。


そして、アーキテクチャに明るい人間を育てる事かな。
このあたりはまさにひがやすをさんみたいな人が啓蒙していく事が必要。
プロジェクトマネジメントばかり頑張っても、つぎはぎの家をきちんと
建つようにするのは大変だから。


で、結局人材の問題に行き着くんだけど、実際はもっと複雑で、NDAに基づく「プロジェクト情報の共有化」が進んでいなかったり、
プロジェクト制の徹底によるフェーズ毎の「適材適所」が進んでいなかったりする。


このあたり、商慣習や政治的な理由から為されない事が多い。


後者に関しては、このフェーズではIT・アプリケーションアーキテクチャをアサインして、OUTPUTとしてこういうドキュメントを作ってもらいましょう。みたいな感じでやれば失敗プロジェクトやエンジニアの負担は減ると思う。


前職では数名のプロパー社員やグループ会社社員が一気通貫でプロジェクトに関わっていた。
ワンストップと言えばワンストップだけど、人材はワンストップではなくて、適材適所がいい。
というか、オープンシステムによるOS/ミドルウェアの多様化とOSSの普及から、情報が多すぎてそうじゃないとカバーできなくなってきているからね。


どっちにせよ、かなり複雑な世界であって、その面ではSIerと広告ってのは業界構造的にちょっと似ていますね。
一般人になじみが無かったり、ブラックボックスな面とか見積もりとか。