SIerだからこそ体に染み付く本当に大切な事
SIerとして働いていると、プロジェクトマネジメントを経験で
体に叩き込まれる。
そして、それは他の領域にも活きる。
例えば、Webディレクターの業務プロセスはSIerを経験している
人ならばすっと頭に入ってくるものだと思う。
Webディレクターの業務プロセスとは
右も左もわからないので、まずはベストプラクティスから学ぶ。
という事で、大手はどのようなワークフローで進めているのかを
見てみる。
ビジネス・アーキテクツのワークフロー
http://www.b-architects.com/works/method
キノトロープのワークフロー
http://www.kinotrope.co.jp/service/index.html
ふむふむ。
SIerとあまり変わらないようだ。
例えば、下記で挙げられているものが、
設計工程におけるWebディレクターの基本的な成果物だそうだ。
- 仕様FIXのための仕様書
- 全体構成図
- コンテンツリスト
- ワイヤーフレーム
- 標準化のための仕様書
- デザイン仕様書
- HTML仕様書
- 表記仕様書
MdN-Webディレクションの極意
第3回 Webサイトの設計
http://www.mdn.co.jp/content/view/5169/145/
SIerの人からすればそれぞれどうやってつくっていくのか、
大体想像がつくのではなかろうか。
コンテンツリストがちょっとSIerとは異なるものであるが、
そこはエンジニア特有のMECEなロジカルシンキングを使えば
なんてことはないだろう。
まあ、「データ項目一覧」のようなものだと考えればよい。
ワイヤーフレームは「画面仕様書」と思えばよい。
何がいいたいかというと。。
結論として、WebディレクターとSIerのワークフローって
似てるからできるよね?というベタな結論を出したいわけではなくて。
本質は違うと思っている。
SIerだからこそ鍛えられる本当に大切なスキルとは何だろうか。
コンサルティングとかもそうだと思うんだけど、
- ケース毎に事情が異なり、正解がない。
- 実行プログラムが見えない。
- 価値観が異なる多くの職種の人と関わっていく必要がある。
- 人に任せるしかない部分が多い。
- 1回プロジェクトに足を突っ込むと半年、長ければ2年とか拘束される。
こういったリスクたっぷりなのに、ゴールが明確に見えない中、
突っ込みたくない。と逃げるのではなく、
突っ込むしかないから、どうやってこう。
という腹のくくり方ができる事。
これが1点目。
2点目は、自信。
デスマーチを耐えきった自信。
バグをおさえた自信。
プロジェクトを着地させた自信。
3点目は、顧客が成果を出すために命を削ってコミットしていく
本質的な顧客志向。
タバコ吸わないのにタバコ部屋に行ってまでコミュニケーションをとっていた。
そう、どうせやるなら、顧客のために何かをやりたい。
それらは経験を通して、体に染み付いていく。
それら3点こそが、SIerで鍛えられる本当に大切なものだと思う。
すぐには見えないだろう。
定量化しづらく、説明もしにくいだろう。
でも、体に染み付いたものは決して消えはしない。
だから、Webディレクターもやれるし、他の職種だってできるさ。
最近、そういったロールモデルをどんどん増やしていければ
SIerももっと明るくなるかな?なんて思う。
p.s.
Googleの「検索」という競争優位性をつくったのはセルゲイ&ラリーであり、
リクルートの「メディア」という競争優位性をつくったのは先人である。
しかし、SIerに関しては競争優位性は顧客に携わる「人」になる。
つまり、「あなた」である。エンジニアそのものであり、会社ではない。
実際、アカウントSEが変わっただけで顧客は離れるのだから。
だからこそ、意識し、階段をのぼっていける。
すべては「あなたの付加価値」にかかっている。