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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

ビジネスプランニングとCFOの関係


事業を設計する際、もしくは事業の幅を飛躍させる際に、
最初に事業の方向性とエグジットを考えながら、
プランニングを行い、マイルストーンを含めた目標を見定めるべきだ。


そのプランニングとは現状の事業環境に即したものではなく、
将来的な可能性も含めて、展開される。


プランがあるからこそ、局面でそのスキームにあった判断を
していける。

最優先される最もらしい論理


実際のところ、事業が進んでいく間には様々な誘惑がふりかかる。
ともすれば、「てっとり早くお金になる」方向など安易な基準に
判断は傾きがちだ。


そして、周囲のステークホルダーはそういった甘い関係を
常に狙っている。


そういう判断を行ってしまった経営陣は
「従業員を食わせていくのが最優先だから」
という最もらしい論理を盾にする。
その論理は「事業の中長期性」や「会社の方向性」などと相反しても
それ以上に優先される事が多く、従業員も「仕方ないよな」と思わざる
を得なくなる。




しかし、この判断には疑問を呈する。

資本とビジネスプランニング


一方で、資本が充実していれば、
(要は「従業員を食わせる事ができれば」)
きっちりプランニングを行い、方向づけをして事業を進めていけるか
というとそうでもない。


「資本がある」という事だけでは、十分ではない。
そういったケースでは大きな視点で事業を見る事が
できるビジネスプランナーが必要になってくる。




ITやWeb2.0バブル崩壊を経ても、成長が止まらない
ベンチャー企業をいくつかケーススタディとして調べてみたが、
そういった企業にはキーマンがいて、その人を起点に事業が
拡大していっている。

成長するベンチャー企業とビジネスプランを支えるCFOの関係


そのキーマンは往々にして社長ではなく、財務最高責任者である
CFOである事が多い。
それは社内の人材である事もあれば、投資家である事もある。


そのCFOは大企業の財務部門や外資投資銀行などで
3年以上のキャリアを持っている。


CFOはまず自らの企業のビジネスプランニングとファイナンスを
サポートする。
ともすれば、思いで突っ走ってしまう社長に対し、
ブレインとして客観的な判断をしたり、事業性の拡張を
アドバイスする。


また、一方では、CFOがアーリーステージのベンチャー企業に対して、
投資を行い、アドバイザリーとして、そのビジネスプランニングの
手伝いをする。
自らがベンチャー企業の成長を体感してきた事を活かしながら。


彼らが投資家としての資本を投じつつ、中長期的なバリュエーションの
向上を優先する事で、短期的な視野になる事を避け、
投資先の事業が短命に終わらせる事を回避する。


また、CFOの所属する企業では、投資育成部門としてキャッシュを
稼ぎつつ、自社の事業にそのキャッシュを投資する
というWinWinのサイクルがある。

今後の展望


個人的にはここ数年の日本のベンチャー企業の動きとして、
そういったシステムが見えてきている。
これは、なかなか表に出てこないダイナミックな動きである。


非常に残念なのは、日本にはまだそういったCFOが圧倒的に少ない
という事だ。
金融関連で優秀な人材は大企業に留まるか、もしくは外資投資銀行
大きな利ざやを利し、多額の給与をもらう。


しかし、サブプライム問題から勃発し、ファニーメイフレディマック
の件などまだ収まりがつかない金融事業の中で、
大きな利ざやを稼げた金融の世界全体のパイが収縮している。


よって、「面白さ」という観点に優先度を変更した優秀なCFO候補が
ベンチャー企業に投資を行うVCの方に流れてくる可能性は
あるのかもしれない。


そうすれば、ベンチャー企業はより活性化し、大きな
成長曲線を達成するようになる。
日本の産業全体の活性化につながるような気がしている。


p.s.
「六本木ではたらくCFOの「自由奔放に生きよう!」ブログ」に、
ファイナンスのより深い内容についてのエントリがありました。
Re: 「ベンチャー企業」のための資金調達入門