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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

新卒でベンチャー企業に入る際の注意点

ファーストキャリアは非常に大事だ。
そこで体験した事や身に着けた事はその後のキャリアに
大きく影響してくる。


大企業からキャリアをスタートさせる事と
ベンチャー企業からキャリアをスタートさせる事について、
色々と最近思うところがあって、書く。


これは、中途採用も同じだけれど、社会人からすると
新卒候補である大学生は、非常に御しやすい存在だ。


よって、何らかの形で本質的な注意点を伝えたいという事で
新卒でベンチャー企業に入社する際、注意すべき点について、
エントリした。

  • 考えている以上にキャリア的なリスクが高い事
  • フェアネスさを確認する事
  • 人事の言う事は話半分に聞く事
  • 若い人が多いから、チャンスが多いと思わない事
  • 経営陣を見極める事
  • ストックオプションにだまされない事
  • 新規事業提案制度にだまされない事
  • 内定をもらっても万が一に備える事
  • Webの先端を走りたいエンジニアやデザイナーにはおすすめ
  • 追記:おそらく失敗するITベンチャーの7つの特徴

考えている以上にキャリア的なリスクが高い事


キャリアの選択肢の幅は狭まる。


それは、ネット業界ならまだしも、日本社会において、
ベンチャー企業に新卒で入る事はかなりイレギュラーだからだ。


大企業→ベンチャー企業というキャリアパスはあっても、
ベンチャー企業→大企業というキャリアパスは非常に難しい。


いざ転職しようと考える際に、実力云々以前に
履歴書すら見てもらえない可能性も覚悟しておく事。


そういった感覚も次第に変わってくるとは思うが、
大企業で決済権を持っているのは40代にかかろうか
という人たちである事を忘れてはいけない。

フェアネスさを確認する事


会社の情報に関して、ポジティブな情報しか流さず、
ネガティブな情報を伏せているようなら注意。
成長段階であるベンチャー企業である以上、必ずひずみはある。


こちらから聞き出そうとする前に、
「こういったポジティブな面がある反面、
こういったネガティブな面がある」
と採用プロセスの中で、伝えてくれる企業は信頼できる。

人事の言う事は話半分に聞く事


人事は現場ではない。
これは、転職などをサポートするキャリアアドバイザーにも
言える事だが、事業に携わっていない以上は表面的な事業内容しか
わからない。


実際に働く時間を考えると95%以上が現場の人間とのやり取り。
「優秀な大学生と中途を入社させる事が仕事」である人事の言うことを
鵜呑みにしない事。


あくまで現場とひたすら仕事や会話をして、社風や方向性が
マッチしているかどうかを見る事が大事。


また、人事は現場は現場だと思っていて、入社に関しては人事の仕事だが、
離職(要は雇用の継続性)に関しては自らの責任ではない
と思う人もいるようだ。


人事には「でも、入るって決断したのは君でしょ?」と言える権利がある。


サイバーエージェントは人事が非常にうまく、成功していると思うが、
それはデキタンさんがインターネット広告でばりばりやってきた
元現場だからじゃないだろうか。

若い人が多いから、チャンスが多いと思わない事


ポジティブに捉えると和気あいあいとできる。
しかも、年代が近いためにチャンスが多いと解釈できる。


しかし、一歩では、団塊ジュニアなど多くの世代との
ジェネレーションGAPの苦しみや彼らの人生経験からくる学びを得る
チャンスを逃している。


そのGAPや人生経験を学ぶ事で、微妙なバランス感覚を
養う事ができる。
ある側面においては、泥臭いやり方も大事なのである。


また、入社2,3年目でいきなり億単位のディールを動かせる
ダイナミックさはベンチャー企業にはあまりない。
全体を俯瞰する視点や中長期的な視野は
まさにそういったプロジェクトを動かす事で養われる。


個人的には、新卒2年目でマネージャとかなっても、
仕事も一丁前じゃないのに。。
と思ってしまう。


スペックがかなり高い人間が入る戦略系コンサルティングファーム
でも下積みが数年必要であるという事を忘れてはならない。

経営陣を見極める事


社長とその右腕の取締役(要はブレイン)の組合せが存在するか。
言っている事が理に叶っているか。
理念や構想が具体的なステップに落とし込まれているかを
確認する事。

ストックオプションにだまされない事


上場しなかったら、ただの紙きれ。
宝くじのようなものだと思った方がいい。
また、換金の規定をよく確認する事。

新規事業提案制度にだまされない事


本当にやりたい事があったら、ベンチャー企業に入ってからではなく、
自ら立ち上げた方がいい。
そうでないにしても、既存の事業は誰が発案し、誰が動かしたのかを
必ず確認する事。


実際は、役員ばかりが発案者になってしまっている
ケースも多い。

内定をもらっても安心しない事


1年で事業環境が劇的に変化するのはベンチャー企業ならでは。


大学4年になったばかりの頃にベンチャー企業に内定をもらっても、
他の企業の内定をもらうように就職活動を続ける事で
リスクを回避した方がいい。


経営状態の変化は逐一確認し、他の選択肢も考慮に入れておく事。
ただ、このあたりは「フェアネスである事」に起因し、
フェアネスな企業であれば、なんらかの形で内定段階の学生を
フォローするだろう。


それを隠しているような企業だと考えもの。
上場企業であれば、ニュースリリースやIR資料はWeb上で手に入るので、
逐一確認しよう。

追記:おそらく失敗するITベンチャーの7つの特徴


表面的なところに捉われ、本質的なところを
見落としていがちな経営陣であれば、以下のリストのような
現象が起こる。

  1. 椅子がバランスボールであることをやたらと自慢する(文化)
  2. 経済的合理性のない「なんちゃってgoogle」(制度)
  3. 社長に資金調達能力がない(ファイナンス)
  4. デザイナーズオフィスにしてみた(投資)
  5. 社長のコンセプトがすぐにブレる(経営方針)
  6. さまざまな価値観の人間がいる(採用)
  7. 若い人間しかいない(経験)


おそらく失敗するITベンチャーの7つの特徴 via 元ファンドマネージャーのもうすぐシリコンバレー日記
http://d.hatena.ne.jp/boltman/20080610/1213078837

Webの先端を走りたいエンジニアやデザイナーにはおすすめ


ただし、Web2.0系を使ってどうこうしたい。Geek達とどうこうしたい。
と本気で考えているエンジニアはベンチャー企業の方がいい。


SIerのエンジニアとWeb系のエンジニアはプロトコルが
結構異なる。
これはWebプロダクション系のエンジニア(Flasherなど)
にも言えるけれど。