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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

インターネット専業広告代理店は本当の意味での広告屋か?


えっと、どこかでこういった議論があったので、
私なりの考えを。(あくまでいち消費者の意見)


・東京インタラクティブ・アド・アワード2008
http://tokyo.interactive.ad.awards.jp/Results08/list.html


エージェンシーリストを見ると、
・電通
博報堂
・GT inc
・Projector inc
・バスキュール
と、「あれ?インターネット専業広告代理店は?」という感じである。


唯一、サイバー・バズがメール広告の部門で受賞しているが、
本体のサイバーエージェントは受賞なし。
御三家残りのオプトもセプテーニもいない。
調べてみると、昨年、一昨年はオプトが1部門入賞しているようだ。
ただ、他2社の名前はない。


いや、確かにアド・アワードだけで判断するのは間違いだし、
だから効果があった広告とはとてもいえない。


しかし、アド・アワードはアイデアやクリエイティブの質を競うもの。
そういった意味ではインターネットに最適化された専業の方が上を
いってもいいはずなのだ。


だけど出てこない。


他にも、書籍「Webデザインのプロだから考えること」や
「Webキャンペーンのしかけ方」にも名前がない。
キャンペーンサイト構築関連の書籍にもそれらの名前は一片たりとも出てこない。
出てくるのは中村勇吾(tha)、バスキュール、ビジネス・アーキテクツ、imgsrc、ピクルスや
フリーランサーなどになる。


制作は彼らでもいいけど、とりあえず「エージェンシー」のところには
名を連ねていてほしいもの。
というかWebサイト制作会社を買収したりして、子会社に抱えてもいいと思う。
それでこそ、ワンストップ。
インターネット専業代理店ともいえる。
それが出来なければうまく連携を組んで欲しいが、現在はそういった動きはみえない。


実際、Web制作においてはクリエイティブの弱いインターネット専業代理店の
出る幕はほとんどないんだろう。


が、結局それって、広告として「消費者にメッセージを伝えるためのWeb」ではなく、
あくまでバナー広告の枠売りやリスティング売りをしているから、
そうなってしまっているのではないかな?と思う。SEOとかも。
本当のインターネット専業代理店であればWebサイト構築においても、
牛耳れるはずなんだけれど。


ざっくり言うと、専門領域は以下のような形になる。
1.Webサイト構築:総合代理店のクリエイティブ部隊、Webサイトプロダクション(いまやクリエイティブエージェンシーとも言われる)
2.バナー広告、リスティング広告など:インターネット専業代理店
※1、2をインタラクティブメディアと電通は定義している。


インターネット聡明期は、代理店のニッチなところ(売上規模的に)を突いた
インターネット専業代理店だったが、クロスメディアな考え方が浸透するにあたって
・マスメディアは総合代理店
・インターネットはインターネット専業代理店
といった棲み分けができなくなってくる。
総合的に総合代理店が取ってしまい、インターネットの枠確保は
メディアレップであるCCI・DACという役者で確定してしまう。


インターネット専業代理店はIMCに始まるクロスメディアな提案
クリエイティブの質で、クリティカルに後れを取る。


そういった事を考えると、サイバー・エージェントが取っている
メディア化戦略はアリだと思う。
そして、オプトの電通との提携も。


残りのインターネット専業代理店はどうする?といった感じ。


ちなみに、インターネット広告やWebサイト最適化ツールが
だんだんとリリースされてきているので、インターネット専業代理店と
クライアントのナレッジも次第に均衡するでしょう。


例えば、Google Analyticsなど。
あ、ここにもGoogleの影響が。。


前職では、オープンシステム化(Windows・UNIX)とオープンソースを始めとした
アーキテクチャの一般化とインターネットの普及によるITリテラシの向上。
という2つの要因により、クライアントとのナレッジの均衡をまざまざと感じました。
あれは本当に恐怖でした。


そういった時、ここだけはゆずれないプロフェッショナルならではの普遍的な価値
というものをしっかり持っておけるかどうかがすごく大事になってくる。
つまり、「クライアントにどういったValueが提供できるか?
という原点のところです。


インターネット専業代理店はリスティング広告ブームが終わった時が、
試金石ですね。
ただ、サイバー・バズはニフティと組んで、マーケティングの新しい指標「AIDEES」
の普及に取り組むなど、ちょっと面白い動き方をしているので、
注目しています。そういったところが今回のアワード受賞につながっているのかもしれません。


■参考

Webデザインの「プロだから考えること」

Webデザインの「プロだから考えること」


Webキャンペーンのしかけ方。 広告のプロたちがつくる“つぎのネット広告”

Webキャンペーンのしかけ方。 広告のプロたちがつくる“つぎのネット広告”

東京インタラクティブ・アド・アワード2008
東京インタラクティブ・アド・アワード2007
東京インタラクティブ・アド・アワード2006
AIDEES