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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

WEBビジネスをやるにあたってGoogle Japan村上社長から学ぶべき事

日経ビジネスオンラインにあったGoogle Japan社長 村上憲郎氏の記事を読んでいて、
非常に面白かったので2点抜粋し、エントリ。

我々は検索ですから、いろいろな情報が世の中にあるわけですけれども、
ユーザーが何か情報を探しているときに、グーグルのやるべき仕事は、
その情報はあそこにありますよ、ここにありますよ、
と指し示すことなんです。
グーグルがこの仕事を完璧にやるとなると滞在時間ゼロが目標なんです。

「探し物があった、見つかった」(グーグルがやっているのは)こういうことですから。
今回ヤフーは滞在時間でトップでした。
グーグルはページビューでは結構上ですが、滞在時間では22位なので、
まだいい仕事をしてないんです。
滞在時間で最下位にならないとだめなわけですから。
そういう意味において、ビジネスモデル的にも全然違うわけですから、
私たちはヤフーと競合しているつもりは、いまだにないんです。


滞在時間「ゼロ」がグーグルの目標-日経ビジネスオンライン

日本はアメリカと違い、まだGoogleよりYahooのアクセス数が上位になりますが、
さすがに本質的な発言ですね。


Yahooはバナー広告があくまでメインであり、リスティング広告はサブ。
つまり、「滞在時間」を増やし、各サイトでユーザーの目に触れるバナーが増える事がキモになる。


一方、Googleリスティング広告のみであり、検索サービスに対する価値向上が
そのままリスティング広告の価値向上につながる。
そして、遷移先サイトにはGoogle AdSenseにより、ユーザーの志向にあった
広告を表示するというシナリオ。


あれ、でも滞在時間に関しては、iGoogleはどうなるんだろう?
あ、それも自分好みのポータルを用意するサービス(iGoogle)を提供する事で、
情報を探しにいくロスを減らすって事か。
うーむ。

なぜかというと、「これはどうやったら金儲けにつながるか」と考え始めた途端、
本来あるべきサービスから微妙にずれ始めるんですよ。


ひたすら自分の友達、家族、コミュニティに喜んでもらえるような
ベストのサービスを作り上げ、磨き上げることを保証するには、
「これに課金していく」類のことを考え始めたら、いきなりおかしくなるんです。


儲け方を考えると組織がブレる-日経ビジネスオンライン

売れるのか、儲かるのかは、「創造のプロセス」の下流に位置するもので、
そこからはじめてもイノベーションにはつながりません。


クリエイティビティ(創造性)の必要条件
from DESIGN IT! w/LOVE

これは教訓じみている。


確かに、「Google」はコア事業である検索をなんとかマネタイズにもっていく
(AdWordsAdSense)事ができた企業であり、
それまで自分達の理念を全うする事に全力を注いでいたわけで、
マネタイズはおまけみたいなものです。
しかも、検索の精度を上げていく事がイコール、AdWordsAdSenseサービスの向上に
つながる。
ユーザーも適切な広告が表示される事により、必要な情報にいきつきやすくなる。
すべて理念に即している。
Googleはこう言います。

Google は、広告というものはユーザーが必要としている情報と関連性がある場合にのみ
役に立つと考えています。


Google の理念


一方、日本のWEB企業は多くがマネタイズをメインに推し進めているような気がする。
だから、まだハッとするようなイノベーションが起きない。
思いついたところでははてな社やModiphi社、カヤック社の各サービスだろうか。


新たなWEB企業の出現に期待したい。