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元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

組織のチェンジマネジメント


組織のチェンジマネジメントに関しては、非常に複雑に要素が
絡んでくる。
それを成功させるキーサクセスファクターは何なのだろう?
と気になった。


企業再生コンサルタントの河合拓さんのコラムに以下のような
内容があった。

組織の中に、強い信念、ヴィジョンを持った人間がいないと、
「負の感覚」が組織間で増幅し、スピーカーとマイクを隣におくと、
どんどん音が大きくなるように、「不安」、「批判」、「あきらめ」
というネガティブサイクルが増幅しながら組織内で蔓延する。


これを私は「ハウリング理論」と読んでいる。意志を持った
個人の集合体である組織全体に、ある一つのネガティブマインドが組織文化
として醸成される。「


負け戦」を繰り返している組織のネガティブマインドは、
皮肉にも「リーダーシップ不在」が原因でできあがるのだ。


私が、常々コンサルティングで気をつけているのは、
自分自身がリーダーシップを取り、組織に対して強いヴィジョンと
目的意識を与えることだ。
三枝匡の「V字回復の経営」を見ると、黒岩という
クライアント側の人間が登場するが、
最後に「実は、黒岩は自分だった」と三枝匡は告白している。


チェンジマネジメントの本質(河合拓) via FRI&Assiciates FRIコラム
http://www.fri-associates.com/blog/management/000075.html

FRIキャンプでお世話になって以来、河合さんのメルマガを購読している。


私にとって、事業や仕事における「本質」を教えてくれたのは大前研一であり、
それをコンテクストとして私の身に落とし込んでくれたのは河合拓さんに
接する事が出来たからである。


彼は企業再生の業務に携わり、かつ成功を納めている。
コンサルタントとして筋の通った提案を行うにとどまらない。
彼は提案に留めず、それを業務に落とし込み、チェンジマネジメントを
遂行している。


最も難しいのは再生のための企画・提案(Planning)ではない、
実行(Execution)である。


私は提案にとどまるのみで、実際にチェンジマネジメントできていない事例を
いくつか見てきたけれど、確かにどれもリーダーシップ不在が起因している
のかもしれない。


チェンジマネジメントが実行できたリーダーは各所で現場から報告を
受けるための適切な項目とフローを設定し、事象を抑え、
適切に対応(止血も含め)を行い、改善へつなげていった。


カルロス・ゴーン然り、ルイス・ガースナー然り。
前職でも事業部長がチェンジマネジメントを行ったが、
かなり詳細な報告とやや傲慢なほどの絶対権限を敷いていた。
ただ、その節々には経験や知見に基づいた説得力と何より彼自身の
雰囲気が醸し出す意思があった。
(ある意味、恐怖政治でもあった。。)


プロジェクトマネジメントも同様で、必要なINPUTを集め、
まずはしっかりしたプロジェクト設計を行う。
その上で、各所で目的を明確にした会議体を設定し、
進捗が遅れていたら、即刻リカバーするための対策を遂行し、
不足点があれば随時補いながら、改善していく。


そう考えると、チェンジマネジメントというプロジェクトマネジメントは
プロジェクトリーダーがいなければ成功しようがない。
そして、そのプロジェクトリーダーに明確な意思がなければならない。


実際、「ゆらぎ」は組織が成長するために必要な要件であるが、
とりわけ大きなゆらぎが起こった際、やはり社員は不安に思うだろう。


その時に、リーダーが明確な方向性が示せるか否かは
非常に大切なキーサクセスファクターだと言える。


そこをおざなりにしてしまえば、社員は「そのゆらぎがいつ我が身にふりかかるか」
という不安を抱えながら業務を遂行する事になる。
それは、いいアウトプットを生み出すだろうか?
そうは思えない。


そのタイミングで、力のある社員は、方向性が定まっていて、
自らのスキルが活かせる職場に移る可能性が高くなる。
そうでない社員はモチベーションが上がらないまま
業務遂行にあたるだろう。


学級崩壊みたいなものだ。


と考えると、そういった意思をもったリーダーをいかに育成できるか
というところに、組織の力として、想像以上の貢献があるのかもしれない。


そこは押さえたい。