書籍「フューチャリスト宣言」:常識は変化する
インターネットといううインフラが整って、それがコモディティ化してきてる。
そして、その次の変化が徐々に訪れようとしているようです。
この本は自分にとって根っこになる、大事な内容がたくさん詰まっています。
ゼロからインターネットの可能性における考えを話しても理解してもらえない時、
こういった書籍があると心強かったりする。
そう、「WEB進化論」同様、これが信用ある著者らのコミットとして、
パブリックになった事が大きいわけで。
こういった書籍はエバンジェリスト的なもので、アーリーマジョリティへの
広がりを狙う事ができればいいと思う。
キャズムを超えるためには、イノベーター達ばかりが理解していても意味がないから。
さて、内容ですが、まさに的を射ていて、なんとなく理解している事、
直感から実践してきた事をズバリと明文化されているなあ
と感じながら読み終えました。
例えば、偶有性(セレンディピティ)に身をさらす事で、脳が活性化する。
脳にストレッチが起こり、新しい世界が広がっていく。
これは、社会人になり、東京へ来てからより感じるようになりました。
このような事は、日常でも起こりうる事だけれど、インターネットがその機会を
さらに加速させます。(ただ、ノイズも多い)
セレンディピティは本来、以下のような意味を持つようです。
セレンディピティ(英語:serendipity)とは、何かを探している時に、
探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。
何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」のことを指す。
自分が恵まれていたとすれば、セレンディピティから本来探していたもの
と異なる方向での発見を見つける事ができた事かもしれません。
そして、その発見は今後も世界が続く限りは続きます。
フューチャリスト宣言も、ネットに一日の多くの時間を費やしている人にとって、
特に新しい発想や情報があるわけではなく、まあそうですよね、
という読者の相槌の中で対話が進展していく。
そして、そのまま立ち止まることも、ハッとして読み返すこともなく、
まさかこれで終わりですか、という読後感を残して対談が終了する。
小野和俊のブログ:「フューチャリスト宣言」梅田望夫・茂木健一郎
彼の主張もその視点において、正しい。
インターネットの世界に身をさらしている人にとっては、
「再確認」の意味合いが強い書籍になるでしょう。
しかし、経験から本書籍を手にとるほとんどの人はそこまでの感性は
持ち合わせていないように思います。
再確認するという振り返りの意味でも、一度手に取って読まれると
よいと思います。
- 作者: 梅田望夫,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 新書
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▽ 特設ページ
http://www.chikumashobo.co.jp/special/futurist/
▽ サマリー
- Yahoo!などは新聞や雑誌など既存媒体のメタファ。だから、ブレークスルーではない。
- ネットはセレンディピティ(偶然の出会い)を促進する。
- インターネットの性質は極めてアナーキーであるため、既存事業と反発する。よって、電機産業と電力・放送・政府・NTTの繋がりが強い日本では新サービスが規制される。
- 「サーチ+チョイス」のパラダイムにおいて、そこでは可能無限であり、「志向性」がすべての始まり。
- 野次馬的にいろんな方面に興味をもっている事は、「共感力」と大きく関係する
- たくさんの分野に興味があって、関係性に興味がある。俯瞰してものを見て全体の構造をはっきりさせたいていう志向がある人はこれからの時代に有利になってくる。
- 深堀りでの競争力は、これからはそれが大好きでしょうがない人でないと厳しい。
- 個人と組織の関係は「所属」から「連携」へ変化していく。
- マウ゛ェリック(一匹狼)たちがうまくネットを使えば幸せになれる。
- 相関的にリアルで満足している人はネットに興味がない。
- 日本はアメリカに比べ、外に開かれた「偶有性」に身をさらす人が少ない。
- 周りの人々に見えづらかった世の中のありようが見えるようになるような「補助線」のような活動がしたい。(茂木氏)