Just blogged

元SIerの今はWebビジネス中心なヒトが日々のトピックを綴ります。

Think Different (CM) by Apple


http://apple.ism.excite.co.jp/page/Think+different..html#toc3


・原文
Here's to the crazy ones.
The misfits.
The rebels.
The troublemakers.
The round pegs in the square holes.
The ones who see things differently.
They're not fond of rules
And they have no respect for the status quo.
You can quote them,disbelieve them, glorify or vilify them.
About the only thing that you can't do is ignore them.
Because they change things.
They push the human race forward.
And some may see them as the crazy ones, we see genius.
Because the people who are crazy enough to think that they can
change the world, are the ones who do.


・日本語訳
クレージーな人たちがいる。
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
四角い穴に丸い杭を打ち込むように
物事をまるで違う目で見る人たち
彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。
彼らの言葉に心をうたれる人がいる。
反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。
しかし、彼らを無視することは、誰にも出来ない。

なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。
彼らは人間を前進させた。
彼らはクレージーと言われるが
私たちは彼らを天才だと思う。

自分が世界を変えられると
本気で信じる人たちこそが
本当に世界を変えているのだから...。

てめぇでメシを食っていくチカラを養えるベンチャー企業


SIerであった大企業とベンチャー企業を比べたとき、
後者だからこそ養えるものとして、「てめぇでメシを食っていくチカラ」
があると思う。


例として、SIerで「受注する」という時、

  • 財閥関係を含む過去の連綿とした関係
  • 財務、信頼としての与信
  • 企業としての多くの実績

これらをベースとした上で、「提案」が通るか否かが決まる。


いくら鋭い提案だからといって、上記を満たさなければ
コンペのテーブルにすら乗れない事はざらにある。


これは、システムの納品に数ヶ月、場合によっては数年必要であり、
その間に企業が倒れてしまったら困る事、
システムのサービスインの遅れにより、クライアント自身が
競合に対して致命的な競合優位性を失ってしなう可能性がある事、
継続的に関係を保っていく事で、クライアント側も
コミュニケーションコストが減るし、リスクも減る事が挙げられる。


よって、受注したからといって、「100%その人だから発注した」
と正面切っては言えない世界がSIerだと思う。


対して、ベンチャー企業で働く限り、ブランドや過去の実績に頼る事はできず、
会社説明からはじめ「自分の言葉」で「商品」をいかにアピールできるか、
がキモになってくると思う。


ササるかササらないか、が営業マン一人一人の能力に大きく依存してくる。


それは、まさに「てめぇでメシを食うチカラ」を養うにはうってつけの場
なのである。


取引先は「その人と一緒に仕事をしたいから」という1点の理由で
競合より劣る「商品」に対して発注し続けてくれる事もままある。
しかも、見る目がないわけではなく、見る目を持ちながらもあえて
そうしてくれるわけだ。
それは、営業冥利に尽きる事だろうと思う。


私はベンチャーに移るまで、「ナショナルクライアント」という
ワードを知らなかった。
大企業ではそんな事を気にせずとも、必然的にクライアントは
ナショナルクライアントだったからだ。


だが、ベンチャーに移ると
「ナショナルクライアントの口座(アカウント)を開設する事」
がいかに大変な事で、だからこそいかに名誉な事かを知った。


そして、実際に実績をつくっていった時は、喜びも一塩だったし、
トラブルを乗り切っていった過程で、言葉にはできない成長を
したんだと思っている。


ベンチャー企業において、一人一人の業務範囲は幅広い。
リーガルチェックも発注書、請求書の作成も会員獲得も
本来の業務にプラスオンでやらざるを得ないケースがある。


しかし、だからこそ企業対企業のプロセスの一部一部を
体験でき、それが「てめぇでメシを食っていくチカラ」
に繋がっていく。


業務を適材適所で分散させない、という事は中長期的に
個々人のスキルを高める事もある。*1
(もちろん、限度はあり、何でもやれる人にやらせるのは中長期的にも
損失になりえるが)


ただ、「てめぇでメシを食う」といっても、往々にして、
「目の前のメシ」が対象になってしまっている気がしている。


しかし、それだけでは足りない。
そこで身につけるべきは、大企業だからこそ身につくスキルである。
それを次回のエントリで述べようと思う。


p.s.
余談だけれどもどうも自分は、
「てめぇでメシを食っていくチカラ」
に対するハングリーさが強いようだ。


実は近い親族にサラリーマンがいなかった。
父方も母方も事業をやっていたからだ。
その中で、商売繁盛と衰退を幾度か繰り返していくのを
間近で見ていた。


自分にとって、事業というのは近しいものだったんだろう。


成長の過程で、

  • 一生懸命やるだけでは儲ける事ができない
  • 下流工程にいる事により、どうしようもない事がある
  • イノベーションにより、品質で劣る代替品に取って変わられていく

そういった過程をまざまざと見せつけられた。


意識はしていなかったけれど、多分そういった事象が記憶の奥底に
叩き込まれており、だからこそ「てめぇでメシを食っていくチカラ」
に対する欲求が強いのかもしれないな、とふと最近思った。

*1:リクルートはあえて子会社や業務分担をカニバらせるようにしているようだ。

自分のExpertizeに特化する事の大切さ


「それは君のExpertizeじゃないよね?」と社長に言われました。


んっ?
と思ったんだけど、Expetize(エクスパティーズ)は「専門性」とか
っていう意味ですね。


思い返せば、自分が大企業時代に「おかしいんじゃないか?」と感じていたのは、
やれる人にやらせる文化」でした。

「やれる人にやらせる文化」はいいのか、わるいのか?


いや、もちろんそういうのが大事だったり、仕方がなかったりする
タイミングもある事はわかっています。


しかし、それを盾にして、「やれる人にやらせる」のは間違っている。
と私は思います。
なぜなら、優秀な人材が疲労してしまうからです。


「それって会社のため、ひいては社会のためだろうか?」
とよく考えていて、上司とよく口論してた。


私は、プロジェクトリーダー兼アプリケーションアーキテクトとして
立ち回っていましたが、その人材にインフラ構築やテストの確認など
現場の手を動かす作業まで任せてしまったら、それは残業200Hオーバー
しますよ、さすがに。


本当にアプリケーションアーキテクトが標準化すべきところって
緊急でないけど重要」なんです。
そこってやっぱり手を動かす系の「緊急だけど重要でない」ものより
優先度が下がります
一方で、それを標準化してしまえば、5つのモジュールを2つのモジュール
に減らす事が出来る場面は数多い。
余談ですが、こういう全体工数を下げる作業は受託を受ける側は受託金額が減るからやりたがらない


しかし、標準化できる部分を見つけ、それを適用していくメソッドを
作り出すのは、非常にクリエイティブさを要求します
よって、かける工数が大きい。だから、上記に挙げた理由もあって
後回しにされる。


そのとき、マネージャは「君は君のExpertizeに特化せよ!」
と判断すべきなんですね。
将来的な競争優位性を見つつ、動かなければならない。


そして、人材が不足する部分には、適切な人材をアサインする。

製造業の工程とナレッジワーカーの工程の違い


余談ですが、生産工程では、工作機械に不要な機能は持たせず
その工程において、最低限必要な機能を最大限発揮できるように
設計するものだと思います。


例えば、コンビニのおにぎりを握る工作機械は
盛られた米を適切な三角形に握るための機能に特化しています。
自動車の生産工程も同様です。


製造業は流れ作業だから、っていうのもあるかもしれませんが、
ナレッジワーカーも見える作業が見えなくなっただけであって、
工程が分割しているのは変わりません。
ある意味、流れ作業的なところも大きいです。


しかし、工程の対象がナレッジワーカーになった途端に、
「やれるから」という理由でガシガシ任せてしまう。


それはおかしいでしょう、と。
それでは、工程を最適化できるわけがない


機械が金属疲労するように、それ以上に人は疲労します。
それは数値化できませんし、表に現れにくい。


疲労した人材は、本来のポテンシャルを発揮できない仕事を
こなし、バリューを出せなかったする。
それは見えない損失なのです。
しかし、見えないが故に、うやむやにされてしまいがちです。

逆に考えると、すごく未開拓な分野


ナレッジワーカーの工程分析っていうのは、
コンサルタントとかが月400万円とかもらってやる作業です。


本来、ナレッジワーカー、特にマネージャは
それを見なければならない。
そして、その結果、誰がどの工程に携わるのが最適か
判断し、最大限のパフォーマンスを発揮するように
全力を尽くして、マネジメントしなければならない。


難しいのはわかっていますし、やれって言われたからって
自分に出来るわけでもないです。
ただ、それをやる意義をわかっているし、
そこに向かう覚悟をもって常に仕事にあたっている。


まだまだ日本は特にナレッジワーカーは非効率だと
思っています。
グローバルなリソースの使い方も甘々ですし。


でも、逆にやりがいがある、開拓しがいがある!
とも言えますよね!

シェイクでカラーが変化する携帯電話、「shake-to-shuffle」に対してどうなんだ?


「モーションセンサー搭載、“シェイク”でイルミのカラーが変化――「W64SA」」
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0806/03/news051.html


シェイク=スイッチ(切り替え)って取ってるわけでしょう、これ。
三洋電機だからかなー、ちょっと失敗に思える。


うーん、どういうシーンで使うんだろう、これは。
それよりは、new iPod
シェイク=シャッフル(shake-to-shuffle)
というUIの方が直感的にうなずけますよね。


街中でも電車内でも「振ってシャッフルに切り替える」っていうシーンは
そんなに違和感ないんじゃないかな、と想定されます。
※ただ、iPodで曲を選べるのにシャッフルにするのか?っていうのには
疑問符ですけども人によってはアリだよね。


対して「シャッフルしてイルミの色を変える」っていうのは、
自己満足ですよね。
「うわー、すごい。綺麗!」っていうのを引き出したいというか。
iPodの「shake-to-shuffle」とは明らかに異なるんじゃないかな。


どっちにせよ、どういうUIが受け入れられるのかは興味ありです。

大企業の内部を知るための書籍


本日紹介する「ソニー本社六階」は大企業の実態として、
どのようになっているのかを示している。


ソニー本社六階

ソニー本社六階


正直、筆者はちょっと出しすぎている感があって、それを書籍のような
非常にパブリックな形でここまで出してしまうのは、背任行為にも思え、
個人的にはあまり好きではない。
(訴えられないんだろうか?)


一方で、だからこそ、多くの人に目を通してほしいと思う。
ベンチャーの人間にはもちろん、大企業に勤めている人間も
あまりここで語られているような事がわかっていない人が
見受けられるため、読むといいと思う。


なぜかというと、この本には大企業に勤めてみないとわからない、
表には出てこない重要な物事がいくつも詰まっているからだ。


自分が知っている限り、ソニーには若く優秀なエンジニアが
多いと思う。
彼らは遊び心に優れ、守備範囲も広い。


一方で、経営としては、事業領域をあまりに広くカバーしすぎたが
故に、かけるべきところに経営リソースがかけられなかった
という問題があるのではないだろうか。


そして、それは日本の大企業のコングロマリット経営の
多くにあてはまるのかもしれない。
御用聞きを子会社社長にしたところで、迅速で適切な判断に基づいた
経営の遂行は不可能だ。


「日本には、圧倒的に経営のプロが足りない。」
とはBCG最初の日本人コンサルタントである三枝匠氏の弁だが、
一流といわれるソニーでも、経営者が経営をしていないような状況
(詳細は書籍で)だったのだから、それは仕方がない事だろう。


ただ、企業はこの数年でまた大きく変わろうとしている。
それは、変化は常に自分の身近にいるという事だ。

見積もり法から見るSIerの今後の戦略


プロジェクトの見積もり法としては、COCOMOやFP法などがある。


そういった見積もりの手法は、

  • 過去の実績
  • エンジニアのスキル
  • ソースコードの行数
  • 機能数
  • 機能がどのデータにアクセスするか
  • データベースのテーブルの数

などが変数となり、算出される。


そして、これらの見積もり法が正確に動作する前提として、
以下の事がある。

  • 正確な要件を把握している
  • 要件に必要な機器を把握している
  • ほとんどがルーチン作業
  • 使用するアーキテクチャが一定
  • 開発環境における条件


しかし、実際はどうかというと

  • 見積もり手法の中に反映されていないが、工数に影響を与える変数がある
  • 前提条件を詳細に達成する事は諸所の事情で難しい


よって、工数は見積もり以上に増大する傾向にあるが、
そのリスクを工数に盛り込む事は難しい。


また、一方で科学的な見積もりではなく、経験則に基づいた見積もりしか
しないという人も多い。


このあたり、戦略的に動いていってクライアントとがっちりパートナーシップ
を結ばなければSI自体が事業として難しくなってくるだろう。


例えば、NTTデータは過去の経緯から、官公庁に深く入り込んでおり、
そのあたりの情報を多く持っているが故に、適切な提案と見積もりが
可能という面はある。
他、過去にIBMはクライアントの情報システム部門をアウトソースさせ、
合弁会社をつくることで、競合に対し一歩リードした。
(この戦略に関しては、一昨年にホンダなどが見直しをかけているとの発表があった)


こういう点を戦略的に実行しなければならないが、どうも愚直にやりすぎている
嫌いがあった。
愚直にやる事ことも大事だが、戦略も大事だ。